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junta ▷▷
パタン、と扉が閉まる音を確認して振り返る。
すると、望は既に俺を見ていた。
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「単刀直入に言う、どういうつもりなん」
『…何がや』
「何がやちゃうやろ。
Aを選んだことに決まっとるやろ」
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俺は情けないくらいに焦っていた
それと同時に怒っていた。
望がこの店で選ぶ女性は、今夜の相手
つまり、望はAを今夜の相手にしたという事だろう。
「俺言うたよな、Aには手ぇ出すなって」
『…』
「他の女と一緒にすんな、って言うたよな」
『一緒になんかしてへん』
「じゃあ何でなん」
『話したかったから。
どんな人なのか純粋に気になる人やから』
もし、望の言葉が嘘だったとしたら。
考えたくもないが、Aとそういう行為に進んだと知ったら、弟の様に大切な望でも許せない。
俺を含め、あの温厚な照史だって激怒するだろう。
「Aとそういうことするつもりか」
『それは無い!』
「…」
『Aさんは他の人と違うから特別なだけやねん』
“ 特別 ”
その特別は
今は違うとしても、いずれ俺がAに対する“ 特別 ”と同じ意味になるだろうと分かってしまった俺がいた。
「…Aは色んな意味で他の人とは違う」
『え?』
「俺からも照史からも教えられへんけど、これだけは教えたるわ。
Aと友達になりたいなら普段どうりにすればいい。ただ…」
『ただ…?』
「……もし、友達以上になりたいならそういうわけにはいかない」
『それはどういう…』
「言ったやろ、他の人と彼女は違うって」
俺はそれだけを残してAがいるホールへと戻って行った
何もなかったような顔をして。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時