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(うわぁぁあああ、お兄さんに
あんなことしたとか私どうにかしてたよ…)
昨夜のことが頭にずっと残っていて、
むしろその事しか考えられない昼下がり。
” あ、今日重要な会議あるから残業アリアリ
だった…。深夜になるから先寝といてね ”
と言い残していつも通り朝早くから
仕事に出ていったお兄さんのスーツの色は
黒色にネクタイは青だった。
お兄さんが作り置きしてくれたご飯を食べて、
適当にテレビ見て、お兄さんが普段読んでいる
本を読んでみる。
ご飯くらい、…パスタとかなら私でも
作れるのになぁとか思いながら。
ほら、茹でて、温めて、かければ完成だし。
(ていうか、この本何書いてるのか分からない…)
何がどうなのか全く分からない。
何をどうしたからこんな文が書けるの?
文豪??
(お兄さんってすごいなぁ)
こんな難しい本を読んで、それを理解して
楽しんでるなんて。
「お兄さんみたくなれないなぁ」
まぁ、お兄さんに私がなろうとしても
天と地の差があるもんなぁ。
そう考えると腑に落ちるしなんならすんなり諦めて、
パタンと本を閉じ、洗濯物を畳もうと洗面所に行く。
乾燥機から服を取り出すと、最近見つけた
お気に入りの音楽をテレビで聴く。
広い広いリビングに響き渡ってなんだか壮大だ。
(お兄さん私と結婚してくれるんだ)
´ 僕はAと結婚までしたい。´
その言葉がなんだか嬉しかった。
最後の最後までお兄さんと一緒かぁ。
10年後も、15年後のお兄さんも、
かっこいいんだろうなぁ。
顔が綻びそうになると、
ガチャガチャ
家の玄関が開く音が聞こえた。
(あれ、今日お兄さん残業って言ってたし…
鍵、開けて行ったのかな…)
「お兄さん、今日残業って言ってたよね?
鍵、かけ忘れちゃったの?」
リビングから廊下に駆け出し、
もしかして何かあったのかなと
玄関の扉に手を触れる。
「?お兄さん?」
『あっれ、俺鍵かけ忘れたっけ?…って
え?女の子??』
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作者名:tsuki | 作成日時:2020年11月28日 21時