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伏黒「本職ですが、何か?」
悟「いーや?なんだか探偵さんって感じの
匂いがしたから。」
(本当は副業だ。探偵さんってやつも
まぁそんな感じ。)
だけど、なんでこいつが感づくように
話してくるんだよ。
悟「なんか隠してんならもっと上手くやりなよ。」
ポンッと、俺の肩を叩き
「A行くよ〜」と声をかけた兄さんは
お釣りも受け取らずに店から引き返して行った。
触られた肩がぞわりと震えた。
気持ちが悪い。
(客としてきてんなら普通になんか食べて帰りゃいい話なのに。)
洞察力に優れている。
誰が、どんな風に、どんな行動を。
全て見ていたんだろう。
そこからの頭の回転も鋭いのかお節介までしてきた。
…いや、嫌がらせの間違いかもしれないけど。
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悟「Aは大人になりたい?」
カフェから出て、オシャレなお店が並んでいる道を
2人並んで歩いていた時、ふとそう聞かれた。
「大人になりたくなくても、時が経てば
身も心も大きくなって大人になっちゃうよ?」
お兄さんもそうでしょう?
質問に質問で返すと、お兄さんは少しびっくりした
表情を見せてから、そうだね、と笑って見せた。
悟「童話の中にあったのを思い出したんだ。
子供しかいない世界のお話。」
「ネバーランドってやつだね。」
悟「でもさあ、ずっと子供でいられる世界線なんて、どこにもないんじゃないかな?」
「それは…私も分からない。かなぁ」
ずっと子供でいたいと願う子達のヒーロー、
それがピーターパン。
彼はその子たちの願いを叶えてくれるから
英雄とでも思われてたのだろう。
悟「…もうちょっとお出かけしたかったけど
時間がちょっとねぇ…帰ろっか。」
「そうだね、帰ってピーターパンのお話でもしよう!」
また、お兄さんの楽しい楽しいお話が聞ける、
きっとまた怖いお話もするんだろうけど楽しみだ。
そう思うとワクワクして、早くお家に帰りたいって
心からそう思った。
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作者名:tsuki | 作成日時:2020年11月28日 21時