第2話 色々やばいよこの隊は ページ3
貴方side
ボロい自覚があるんだなと思いつつ私はそうですねと軽く同意した。
貴『やはり天井が高いからか少し手の届かない場所にあるらしい蜘蛛の巣が多いですね。あと若干ペンキが剥がれている所と小さなヒビが気になります。
今度時間があるときにでも大掃除をして壁なども少し修繕したいですね。』
そう私がスラスラと返すと、まさかそんな返しをされるとは思っていなかったであろう火縄中隊長は驚いた様子で私を見て、そうだなとつぶやいた。
今の回答は完璧だっただろう。
この消防署がボロいということは一目瞭然なのであえて否定せず細かい所まで見ているというアピールをし、その上でこの隊のために働こうとしているというボランティア精神を見せつけることにより高感度を上げる。
きっと今の彼の中の私はかなりの好印象だろう。
さすが私である。
そんなことを考えながら歩いていけば大きめの扉の部屋の前へ連れて行かれた。きっとここに大隊長がいるのだろう。
…聞いてはいたが相当人数が少ないらしい。
ここに来るまでにまさか誰とも会わないほどとは思わなかった。
確か機関員もおらず化学班もない……というかまだ一部隊しかいないんだったか？
…となると目の前の火縄先輩のこの中隊長という肩書も名だけと言うことになるのか…
貴『(いくら少数精鋭っつってもなぁ…)』
人数がかなり少ないと聞く割に消防署が思ったよりも大きい。これは掃除が行き届かないのも納得だ。
貴『(暇な時一人でも清掃するか…)』
そう思っていると火縄中隊長がもたもたするなと声をかけ、扉を開けたたので、改めて姿勢を正しニコッと笑顔を作り直した。
ギイッと音を立てた扉に後で金具に油をさしておこうだなんて考えていれば目の前に7つのデスクが現れた。どうやらここで事務仕事をするらしい。
…しかし、そんなことよりも気になることがある。
ガジョンッ…ガジョンッ…
なんだこの金属音は。
そんな事を考えていると火縄中隊長が新入隊員を連れてきましたと行って奥へと歩いて行った。
私もそれについて行って、ビシッと敬礼をする。
貴『今日から勤務となります！A 緋雁です！よろしくお願いします！』
そう笑顔で挨拶を向けた人間は…
桜「あぁ！俺は第八特殊消防隊大隊長、秋樽 桜備だ！
よろしくな！」
筋肉質な大柄の…………大きなバーベルを持ち上げるいかにも脳筋な暑苦しそうな男だった。
貴『………』
金属音の正体これかよ…！！
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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです！夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (
レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
陸(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ！ (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2021年9月18日 20時
