喧嘩と主導者の恐怖…円周率 ページ18
「おー、お疲れだね漸さん。相変わらず物好きなことしてたんだねぇ」
からからと笑いながら、自分よりふた回りは背丈が高い彼___獄門漸の背中を叩いた。
彼は弁当を片手に、思いっきり走ってきた様だ。恐らく中身はぐちゃぐちゃだろう。
すると呆れ半分という感じに、いつもの死んだ目+震えた左腕を抑えて此方を睨んできた。
「疲れてるに決まってんだろ……伊都に上に乗られて腕立て伏せさせられたんだからな。
てか物好きじゃねぇだろ。お前はこれやってねえから女みてえに腕ほっそいんだよ」
女みたい。その単語は、円周率____率にとっては放送禁止用語である。
思わず頭に血が上ったのか、顔を歪めながら言った。
「そりゃ大変だったね。伊都ちゃんこんな奴の上になんて乗らなくていいのに……
てか女みたいは余計だ!自覚してんだから黙ってろこの怪力シスコンゲスゴリラ!」
怪力。シスコン。ゲスゴリラ。その単語も、全てが漸さんにとってはタブーである。
すると、何処からか見覚えのある冊子と手榴弾を取り出した。
「お前……
まるで人質を取る犯 罪者の様な風貌で此方を見下ろしている。
しかしそれは、先日率が買ったばかりの新品の参考書だった。数の神の彼にとっては人質どころか自らの命にも値する者である。
「くっそ……悪かったよ、許してくれ…ってお前!!」
ちゃんと謝ったのに何故か、理不尽に爆発されて居たのである。
当の爆破した本人は、どこを吹く風とでも言うかのように目を背けている。
「あー!!もう本ッ当に今回ばかりは許さない!なんでその程度で怒るのさ単純だねぇぇ!?」
「てめえなぁ、毎日毎日シスコンやら厨二やら言われる俺の気持ちも考えやがれ!!」
言い争いをして居たその時。
「________おい、テメェら」
ドスの効いた恐ろしい顔の局長が二人の間に入って居た。
それと同時に、二人の額から冷や汗が流れた。
「遅れた上に喧嘩するなんて元気がいいなァ…テメェら今回の任務で存分に働いてもらうからな。
もしサボったりしたら……どうなるかわかってるよなぁ?」
「は、はい……(怖いよ怖いよこの人怖いよ!!)」
「…………(八重は怒らせたら終わりのタイプだった…)」
二人は無言だが互いに悟りあった。局長は怒らせたら終わりだ、と。
5月21日更新 松宮カナメ
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すとろべり-(プロフ) - 更新しました! (2018年6月4日 12時) (レス) id: c48c36fb49 (このIDを非表示/違反報告)
すとろべり-(プロフ) - 更新します! (2018年6月4日 10時) (レス) id: c48c36fb49 (このIDを非表示/違反報告)
雪抹茶(プロフ) - 更新しましたー! (2018年6月2日 19時) (レス) id: 9248342184 (このIDを非表示/違反報告)
雪抹茶(プロフ) - 更新しまーす (2018年6月2日 18時) (レス) id: 9248342184 (このIDを非表示/違反報告)
松宮カナメ - 更新しました (2018年5月21日 14時) (レス) id: eb873f1f0d (このIDを非表示/違反報告)
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