【小説】神様の依頼箱

玉子焼き……新島藍里 ページ14

「よーし、やるぞ〜！」

城下町にある小さな家の台所に立ち、新島藍里は料理をしようと張り切っていた。
今朝、いつもより少し早くに起きた彼女は、久しぶりに料理する事にしたのである。

「うーん…よし！今日は、玉子焼きでも作ろーっと！」

そうして彼女は、玉子焼きを作ることにしたのだが
途中で、その辺で捕まえた奇妙な生物や、どこかで取ってきた植物などを入れているうちに
作っていたそれは、玉子焼きとは思えない、どす黒い赤や、深く暗い青に変色していたのだが…

「うーん、玉子焼きってこんなんだったけ〜？…まぁ、いいや！！」

もちろん、彼女がそんなことを気にする訳もなく
もはや食べ物ですらないその物体は、次々と量産されていった。

そして、料理をしていた彼女は、ふと、壁に掛けてある時計を見た。
そこで彼女は、そろそろ屯所へ行かなければならない時間だという事に気付いた。
どうやら、料理をしている間にかなり時間が過ぎていたらしい。

「やっべー！もう急がなきゃ遅刻するー！」

そう言って彼女は、慌てて台所を飛び出し、身支度をしに自室に向かった。

そして、身支度を済ませた彼女は、料理のこともすっかり忘れて、急いで屯所へと向かった。

その後、彼女が作った玉子焼き(と言う名の暗黒物質(ダークマター))は、彼女の幼馴染である来夢に処分されたのであった。



4月7日更新 ミラ

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