【小説】神様の依頼箱

朝の恒例……真山みちる ページ13

外が薄明るくなった頃、屯所で俺は目を覚ます。
直ぐに起き上がり、朝の訓練の支度をする。
うちの訓練所は庭の近くにあるのだが、そこに向かう途中、局長の八重さんを見付けた。
話し掛けようかとも思ったが、何だかイライラしている様子だったため止めておこう。

俺は二刀流だ。普通は竹刀や木刀を一本持って訓練をするのだろうが、俺は二本使う。

何時ものように準備体操をし、竹刀で訓練をしていた時だ。

「……クソォォォォォォォォォォッッッ！！」

そんな声と共に、バギィッという音が訓練所に届いた。

「八重さん……」

今のは確実に八重さんだな。普段から色んな人に弄られている人だ。イライラが爆発したのだろう。

…そう言えば、前に俺と八重さんが性別間違えて生まれてきただの何だのと囃し立てられた事があったよな…
他の隊士にみちるちゃん呼ばわりされたこともあったし…

そう考えていくと段々俺もイライラしてきた。

「だああああああああああああ！！！」

思いっきり的に竹刀を叩きつける。

バギャッと嫌な音が。
見ると、竹刀と的の両方がバッキリ折れていた。

「やっちまった……」

折った竹刀と的の数、トータル67。

あの師あってこの弟子あり、か……



4月7日更新 橙咲智歌

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