出られない部屋 10 ページ10
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癖っ毛っぽい茶髪から、真っ赤に染まった耳がチラチラ と見える。彼は気まずげに私から目を逸らし、「何か言ってよ」と笑った。
私だって好きで黙ってるわけじゃない、と反論したかった。だって、こんな状況になるのは初めてだし、相手はイドンヒョクだしで、脳がもうすっかりキャパオーバーしてしまったのだ。
「はは。顔、真っ赤じゃん……」
嬉しそうに揶揄うようなその声に、より顔に熱が集中した気がした。
イ君だって、耳赤くなってるよ。と返したかった。けど、彼氏いない歴＝年齢の私にそんな余裕はあるわけがない。
せめてもの抵抗みたいに、私は下を向く。
「み、見ないで」
「なんで」
イドンヒョクは余裕たっぷりの、どこか楽しそうな声でそう返す。
こ、これだから、陽キャは！
どうせこういう状況みたいなのに慣れていて、だからこんなに余裕綽々なんだ、きっと。そんでもって、私みたいな恋愛に疎い陰キャをからかってるんだ、きっと、多分、そう。あーあー、勘違いしなくてよかった。話のネタにされるところだった(オタク特有の早口)。
だって、イドンヒョクみたいな「主人公」が、私みたいな「モブ」を好きになるわけがない。
「顔、見せてよ」
イドンヒョクの手の温度が、私の指先に伝わってきて、びくりと身体が跳ねる。
イドンヒョクの手は、酷く熱かった。ジンジン伝わってくるその熱が、私の正常な思考を侵食していくようで恐ろしかった。
やめて、やめてよ。
なんで私みたいなのに構うの。他の隣によくいる可愛い女の子でいいでしょ。
「……顔上げないとちゅーするけど」
その発言に驚き、バッと勢いよく顔を上げる。
その瞬間、私の目に飛び込んできた彼の表情は、想像していたような、余裕ありげなヘラヘラした顔じゃなかった。
ーーなんだ、イドンヒョクだって顔真っ赤じゃん。
「……最後の質問してもいい？」
「……うん」
イドンヒョクの声は、少しだけ震えていて、私にも緊張してるというのが伝わってくる。
まるで、告白する前みたいな、そんな雰囲気。
「ちょっとは俺のこと意識してくれた？」
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あき(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！！ありがとうございます！！！！！ (2023年5月2日 13時) (
レス) @page13 id: 52a0eb3ad9 (このIDを非表示/違反報告)
やまぴ(プロフ) - 同人誌のノリ分かる夢主好きですｗｗボイプラも好きなので他作品も読みました！文体すごく好きです！更新楽しみにしてます！ (2023年4月17日 5時) (レス) @page4 id: b2d974e411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベロ子 | 作成日時：2022年12月23日 23時
