出られない部屋 9 ページ9
*
「もし告白されるなら、どんなシチュエーションでされたいとかある？」
イドンヒョクは気を取り直したように顔を上げると、そう尋ねた。
恋バナ路線は変わらないんだ……と思いつつ、イドンヒョクの真剣な目に気圧されて真面目に考える。
シチュエーション……。恋愛経験が乏しすぎて放課後の体育館裏か屋上しか思い浮かばないのが辛い。
けどうちの学校の体育館裏なんて、多分人がひっきりなしに通るだろうし、屋上はそもそも開放されていない。マンガやアニメみたいにいかないのが現実である。
思い浮かばなさすぎた私は、苦肉の策でイドンヒョクに尋ねることにした。質問内容の量も減らせるので一石二鳥である。
「イ君はどんなのがいい？」
「え、俺？」
質問を質問で返されると思っていなかったのだろう。イドンヒョクは驚いた様子でそう返した。
彼は、うーん、と少し悩んで口を開いた。
「別に。どんなのでもいいかな。……例えば」
イドンヒョクが、私の目を見つめる。
彼の真っ直ぐな焦茶の瞳が、私を写している。いつもの教室の中ではあり得ない、非現実的な状況だ。
いつも連んでいる陽キャの女の子達は、イドンヒョクのこの目を嫌というほど知っているのだろう。私がこの瞬間まで知ることも出来なかった、この美しい瞳を。
「……俺は、こんな変な部屋の中で告白されるのとか。案外いいと思うんだけど」
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あき(プロフ) - めちゃくちゃ好きです！！！ありがとうございます！！！！！ (2023年5月2日 13時) (
レス) @page13 id: 52a0eb3ad9 (このIDを非表示/違反報告)
やまぴ(プロフ) - 同人誌のノリ分かる夢主好きですｗｗボイプラも好きなので他作品も読みました！文体すごく好きです！更新楽しみにしてます！ (2023年4月17日 5時) (レス) @page4 id: b2d974e411 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベロ子 | 作成日時：2022年12月23日 23時
