先生、私の気持ち気づいてよ…【名前変換オリジナル】

33話 ファーストキス ページ35

ぎぃ、と音を立てて屋上の扉を開ける

そこには誰もいなくて、ホッと安心する私

網に体を掛けてゆっくりと目を瞑った


「…初めて授業サボっちゃった」


またゆっくり目を開けると、そこには広々とした青い快晴が広がっている

…あー、蓮さんの授業は受けたかったけど今日はあんまり会いたくない気分だし…

何か前にもこんな気分になったような気がする

朝もここ最近は一緒に行ってないし、今日は蓮さんの姿を一回も見ていない

夏希ちゃん、ちゃんと受けてるかなぁ？

なんて、ふと思ったりしていると


ぎぃ、と向こう側から扉の開く音がした


(え、誰か来た…！？)


授業サボっているのバレちゃう…！

そう思いながらアタフタしていると


「あ？誰だお前」

「…あ」


アタフタしていた行動が固まったように動かなくなった私

黒髪の男子、ポケットに手を突っ込んでいるこいつは…


「斗、真くん…」



何故か不機嫌そうな顔で私を睨み付けている彼

そう、あの時耳元で"ブス"と言ったこいつ。

その整った綺麗な顔をした彼は、初めて見るだけでもモテそうな顔立ちをしている


「お前何で俺の…つか誰、此処に何しに来てんの？」

「……Aです。初めてサボりに此処に来たの」

「…へえ」


ニヤッ、と気味悪そうに口角を上げる彼

…どっか行ってくれないかな

と、私は願うだけ


「てか、斗真くん毎回授業サボってどうするの？内申落ちるよ」

「は？内申落ちんのお前もだろ。こんなとこにサボりにきやがって」

「毎日サボる人よりはマシですー」


そう言った途端、ヅカヅカと此方に向かって歩いてくる彼

…もしかして怒らせた？


「…おい、一回黙れ」


上から見下ろしては顔を近づけて距離を縮めてくる

近くで見ればみるほど綺麗な顔をしている


「…斗真くんって……んっ！？」

「黙れ」


途端、口元が温かくなって柔らかい感触を感じた

距離なんてもう0で、彼の顔が額にくっついている


「ちょ…やめ……」


"気持ち悪い"

今の私にはそうとしか感じない


「っ！？」


そっと、私の胸に手を置いてゆっくり触りはじめる彼

斗真くんって……！！


「っ！」


足で斗真くんの腹筋を蹴ると、彼は尻餅はつかなかったものの、体勢を崩して足を一歩引いた

彼は手で口元を脱ぐってゆっくり下舐めずりをする

…最低。

まさかの私のファーストキスが奪われてしまった

34話 ドS→←32話 好き

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