先生、私の気持ち気づいてよ…【名前変換オリジナル】

31話 補習 ページ33

「お、ちゃんとやってますね」


ニコニコとスマイル抜群の顔で入ってきた蓮さん

くっ…こういう時に限って一番格好良く見えてしまう…

今、放課後なのですが小テストの成績が悪かった私は

1年5組で補習を受けております

…それに、補習を受けている人はこの私、一人だけ。

やっぱり私馬鹿でした

…と思ったけど。


「あれ、斗真くん見なかった？」


…え？


「え、と、斗真くん…ですか？」

「そう。あの人も補習なんだけど…あ、奥田さん顔分かんないよね」

「はい」

「ごめんね、そんな事聞いちゃって」


あはは、と苦笑しながら椅子に腰を掛けた先生

もう、蓮さんの事だけで頭がいっぱいになってくる


*

……何だこれ…


全く分からん!!!!!!


先程から同じ問題に頭を悩ませる私。

何度も何度も悩ませては、ペンシルをビクとも動かせられない


「分からない所、教えてあげるよ？」


ハッ、として顔を見上げる私。

目の前に綺麗な顔立ちをした蓮さんが。


「え、で、でも…」

「先生をもっと頼って？」


此方をじーっと見つめては、如何にも頼って欲しい目をしている先生

いや、あの…超恥ずかしいんですが…

どんどん頭がパニクる私。どんどん熱が昇る私。


「えっと…ここの問題、教えて下さい…」

「ほうほう、ここね。ちょっとペンシル貸して」


ひょいっと、私の持っていたペンシルから先生の手元に移動する

スラスラと公式を書いていく姿に見惚れる私

ち、ち、近くに蓮さんがああああ

格好良すぎてマジの話鼻血が出そう


「はい、ヒントはこれね。ここをこうすれば＿＿＿＿」


*


「蓮さん、ありがとうございました！馬鹿みたいに分かります！」

「おお、それは良かった」


悩んでいた問題もすっかり解け、お陰様で補習も終了

結局斗真くんは来ないまま、補習は終わってしまった

この二人しか居ない教室の中、声だけが響き残る


「奥田さん、なるべく補習とか受けないようにね。数学なら出来る限り教えるから」

「…あの、蓮さん」

「ん？」


「…好きです」

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