先生、私の気持ち気づいてよ…【名前変換オリジナル】

22話 負けらんない ページ24

「そうだったんですか…何か安心しました…」

「安心？」

「あの優しい蓮さんならビンタとかする筈無いだろうって思ってて…」

「えーっ。優しくなんか無いよー？」


あははっ、と笑いながら話してくれる蓮さん

…でもホントに安心した。私これでビンタとかしてたら引いてたかも知れない

…それは無いか。

安心からか話す緊張感とか一気にほぐれたような気がした

すっかり肩の荷も緩んで正直今気分が浮いている


「…と言っても全員が言うことを聞く訳じゃ無いだろうし」

「え？」

「いや、人間ってのは個性があるっていうか…」


少し悲しそうに喋りだした蓮さん

その横顔が切なそうに見えて、何だか私も見るだけで辛くなってしまう

先生というのは今までの過去とか色んな事があったんだろう

それだけ辛い思いや悲しい思いもあれば楽しい事だってあったんだろうし。

…だとしたら。


「蓮さん、何か辛い事あったら私に何か言って下さい！何でも聞きます！」

「え？」


目を見開き、此方を驚くような目で見つめる蓮さん

…あ。やばい、何か彼氏にでも喋ってるように聞こえるじゃんこれ

ついつい役に立ちたい思いで喋っちゃったけど…

……地味に恥ずかしい。

そう気づいた途端、顔の熱が段々と上がり、耳先まで真っ赤になった

手汗と冷や汗が背筋を垂れていく


「ふふ、ありがと。」


ニコッと此方に向かって優しく微笑んでくれた

ドキッと高鳴る私の胸は…いつ鳴り止むんでしょうか？


*


「A！おはよー」

「夏希ちゃん！おはよう！」


直ぐ様先生と別れ、私は直ぐに夏希ちゃんの隣へ。

一緒に通ってるなんて事がバレたらどうなることやら…

そう思うだけで恐怖心がぐつぐつと沸いてくる


「ねえ、やっぱ楠先生って良いよね」

「…え、どうしたの急に」

「昨日あんな事あってもさー…やっぱ信じられなくて。けど何か変に燃えてきちゃった！」

「は、はぁ…」


流石だよ、夏希ちゃん。

昨日の事があったとしても、関係無しにどんどん前に進もうとするんだもんね

私ならちょっとした些細な事でもすぐ折れそう

…よーし。私だって負けらんないし！

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