ジャンヌ・ダルク伝説 ページ9
「で、目が覚めたんですよ」
昼休み、軽音部の部室まで向かった。
本当は放課後まで待つ予定だったけど、どうも待てなくて来てしまった。
零さんを無理やり起こしてしまい最初こそ不機嫌だったものの、夢の話をしたらその機嫌はどこかへ行ってしまった。
「そうかそうか…懐かしいのう」
懐かしい？
「少し、昔の話をしようかの。あれはちょうど嬢ちゃんが転校してきたときと同じような状況だった……」
☆〜☆〜☆〜
それは澪が転校してすぐの頃。
五奇人とfineの戦いの少し前。
「ちょっと、あんたたちこのままだと危険だよ！」
澪は五人の仲間にそう告げるもみんな聞かずにやりたいことばかり。
そして、澪にとっての人生最大ともいえる悪夢が始まった。
仲間たちが次々に処刑されていく中で、彼女は一人、プロデューサーとして戦いに出た。
少しの協力を得ることもでき、もしかしたらこれを止められるのではと気を緩めた瞬間、彼女は彼女のことを恨んでいた何者かによって殺されてしまった。
そして五奇人も皇帝に処刑され、澪は学校へ行かなくなった。
とある昼下がり、零が昼寝をしていると夢に澪が出てきた。
《助けて、また、連れ戻して》
それから不定期に澪の夢を見るようになり、その夢の微かな手掛かりをもとに澪を助けることが出来た。
☆〜☆〜☆〜
「澪は人の夢に出てくるのが好きなようでのう…」
知らなかった。澪先輩はいつも完璧で笑顔だと思ってたから。
つまり、今回は私が澪先輩に選ばれたって事？
よく分からないけど、そう考えるとものすごいやる気出てきた！
「私、ちょっと寝てきます！」
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作者名：ナハト | 作成日時：2018年8月30日 16時
