Night (ページ37)

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変わり果てた姿ページ37

壱馬side

ここ、か。

オレがたどり着いたのは、まるで現実からはかけ離れたような世界だった。

オレが前に、女遊びして来た時には、もう少しくすんでて汚かったのに。

オレみたいな最低な奴がつどってる、

そんな感じの雰囲気だったのに

なぜかこの半年で、鮮やかな色に染まっていた。

まるで、誰かが魔法をかけたかのように。

Aには、こんな世界決して似合わない。

触れるわけない。あんな純粋で、透き通った心を持っているAは。

やっぱりいるわけないよな笑

Aこーゆーとこ絶対好まないだろうし。

そう思いながらブラブラしてると、1人の女が男にナンパされていた。

どれだけ拒んでも決して引かない男共。

ようあんな勇気あるわ笑

そんな冷やかな目で見ていた。

この世界は、汚くて脆い。

どれだけ煌びやかで輝いてるように見えたとしても。

Aはこんな所にいない。そう信じて立ち去ろうとした、その瞬間だった。

一瞬だった。

ある光景が俺の目を射止めた

それは、ナンパされてた女を助け、男を容赦なくはっ倒していく

女だった。

そしてその後、ナンパされてた女に何かを言っていた。

その声に俺の体が反応した。

『壱馬。』

いつも呼んでくれてたあの時の声。

優しくて潤いのある声だった。

でも、容姿があの時と全く違う。

俺の中のAは、ふわふわな女の子だった。

でも目の前のAに似た声の女は

茶色と金髪を混ぜた色の髪を高い位置で結んでおり、全身黒スーツでバッチバチにキメてた。

それに加えて、妖しく光るピアス。

どっからどう考えてもAな訳が無かった。

ははっ笑声が違うだけか。

でも次の会話が俺のその考えをぶった斬る。

「名前、教えて貰っても良いですか？」

「Aです。」

かすかに聞こえたその声をオレは聞き逃さなかった

A、確かにAって言ったよな、、、

本当に、Aなのか？

壱「Aっ、、？」

ほんのひと握りの勇気を振り絞り話しかける。

また、あの時のような優しい声で名前を呼んでもらえる。

『壱馬？』

「ああ。、、久しぶりやん。元気やった？」

『うん、』

「あの時は、ホンマにごめん。」

そんな会話ができると思ってた。

でも、話しかけた時振り返ったのは

『誰お前。』

ビックリするくらい冷たくて闇に包まれた目をして、

今まで聞いたことも無い低い声でオレを睨みつける

Aだった。