大事だから ページ27
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「……ねぇ、Aちゃん」
名前を呼ばれ、理由もなく机の上に置いていた視線を上げた。
緑谷出久。爆豪と同じ、小3からの付き合いのある奴。
「" どうしたの？ "」
鞄の中からスケッチブックを取り出し、真っ白なページに黒マーカーを走らせた。
「あっ、いや。その………。
かっちゃんが最近怪我が多いんだけど、Aちゃん、何か知ってたりしない？
Aちゃん、僕よりもかっちゃんと仲良いからさ、もしかしたら知ってるかな〜……って」
その台詞を聞いた瞬間、腹の内側からイライラが沸騰してきた。
あまりの怒りにマーカーペンを力任せに投げつけてやろうと思ったが、何も知らない緑谷にやることではないという正論が浮かんできたので、私は息を深く吸ってまた吐いた。
窓のサッシに身を預けてクラスメイトと話す爆豪に視線を向ける。
捲ったワイシャツから覗く腕には包帯が巻かれており、頬にも大きめの絆創膏が貼ってある。
爆豪の単独任務が始まってから、怪我の量が少しずつ増えている。
私はもう何年もやっているから怪我を負ったりすることはあまりないが、爆豪はまだ素人。
更に、ヒーロー目指しているだけあって立派な良心も持っており、それが相手を『殺す』ことにストッパーをかける。
トドメをさす直前に毎回攻撃をやめてしまうらしく、爆豪の単独任務記録には『
馬鹿らしい。出来もしないくせに首を突っ込まないでほしい。
どうせ私の為だとか言っているんだろう。
でも、そんなの助けるどころか こっちに迷惑しか掛けていない。
本当に理解が出来ない。
「" ごめん、知らない。今度話聞いてみるね "」
「あ……うん！大丈夫だよ。僕こそ急に聞いちゃってごめんね」
『ヒーロー分析ノート』と書かれたいつものノートを抱えて、ぱたぱたと走り去った緑谷。
その背中を見ながら、私はマーカーのキャップを閉じた。
分からない。こんなに怒っている自分も、怪我を負ってでも任務を続けることも。
" 君はこの2年、いつでもこの組織を抜けてもいいんだよ "
ふと、司令官の言葉が脳裏をよぎった。
…………そうだ。爆豪が『 lycanthrope 』を抜けることは不可能ではない。
爆豪が自分から抜けないというのなら、私が
私が爆豪をやめさせるように仕組めばいいんだ。
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瑞樹(プロフ) - この作品大好きです！ 更新を楽しみにしています！ (2022年12月8日 20時) (
レス) @page39 id: 92b8932be0 (このIDを非表示/違反報告)
フユフユ - これ最後夢主ちゃんとかも幸せになって欲しい (2022年6月26日 21時) (レス) @page29 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
むらかみ。(プロフ) - 新作待ってました！前作楽しませて読ませていただきました！！突然で申し訳ないですが、イメ画描かせてもらってもよろしいでしょうか？少し遅くなってしまうかもですが…(失礼)更新頑張ってください！！応援してます！！！！！ (2021年12月29日 20時) (レス) @page6 id: 49021efb12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきや(プロフ) - あのさん» ありがとうございます！！！頑張って更新進めていきま〜す！！！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: 3af9d9c4f9 (このIDを非表示/違反報告)
あの - 新作ですね！前作では完結おめでとうございます！(遅い)更新待っております！ (2021年12月12日 18時) (レス) @page15 id: 347eae7089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきや | 作成日時：2021年12月8日 19時
