蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝“う”・７＝ ページ7

「・・りょお？」

と言いながら首を傾げて、もう一度

「りょ・お・・。」



「いーや、“りょう”だ。“う”。」



けいは、うーんと考えてる感じを出して・・(考えてる？)

首を傾げながらにっこり笑って

「“う”。」って言った。



その口が、余りにも可愛くって

ついオレはその“う”の口に

ちゅっとキスをした。



けいは、犬に隣に居たオレに

倒れかかる様に抱き着いて

「せみぃ・・すきぃ。」と甘える。




オレは「ふふ。」っと笑い、けいを抱き締めながら

犬の頭を撫でて

犬にまた、語り掛ける。



「お前、りょうは・・
　涼し気な瞳だから・・ふふ＿＿＿＿＿＿。」



けいが使っているラクガキ帳の

真っ白な画用紙に文字を書いて

犬とねこに見せながら



「お前のりょうは・・“涼”な。」


そう言って涼とねこの頭を

わしゃわしゃと撫でた。




けいがまた、口をぷぅっと膨らまして

オレに強くぎゅぅぅっと抱き着いて

「けい、やっっ。
　だめぇ。せみ、りょおの、あたま。
　なでなで、しないっ。けいの、するっ。
　けいの、せみっ。ぶぅ―――。」



ぷんぷんしているけいの横で

ねこがまた、「ニャーッ。」と鳴く。

・・また、ヤキモチか・・って

飽きれた声で言ってるみたいだ・・・。



「ふふふふ・・。
　けいは、面白れぇーなっ。
　で、りょおじゃなくて・・りょ“う”な。
　涼だぞ、涼。」



「んっ。」

と、けいは大きくコクリと頷く

「わんわん。りょお、ね。
　せみと、けい、と。ねこで、
　しわわせに、して。あげんのっ。
　ね〜え、ねぇこ。」



ねこは、

大きな声で「ニャー。」と明るく鳴いて。


涼が、優しく「ワンッ。」と鳴いた。





＿＿＿ははっ・・。家族が増えた。



オレの家は明るく・・

オレの家の玄関のドアは温かで優しく・・




みんなで、なろう。

しあわせに。




みんなで、なろう。

しわわせに。



けいを笑顔に。ねこを笑顔に。

涼を笑顔に。オレも笑顔で・・・


みんなで、しわわせに＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。




＝おわり＝

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