蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝すりすり・７＝ ページ16

「なぁ、よろしくな・・」


兄貴はオレと同じ事言ったんだ

同じ事＿＿＿＿。



「よろしくな・・“相棒”。」




オレはそっと、リョウの隣に行って

笑顔で声を掛ける。

『リョウ、よろしくな、これから。』



リョウは、低い優しい声で

『ああ、宜しく・・相棒。
　・・あの人にも伝わったか・・？』



『兄貴にも伝わったよ。
　リョウの気持ち＿＿＿。』



『ふふふ。』

そう穏やかに笑ったリョウの

腹を枕に寝ていたけいが

ぱちっと目を覚ました。



しくしく泣きながら兄貴に抱き着いて

オレはリョウにあきれた声で言う。



『・・ちょいちょい、あの２人
　イチャイチャすんけど・・えーっと
　あんまり、気にすんなよ、リョウ。』



『ああ、気にしない。・・ふふ。』

オレとリョウが笑い合ってると

けいがまた、リョウにぎゅーっと抱き着いた。





兄貴が、言った。

兄貴とけいとオレの、リョウだって

兄貴とけいとオレで、しあわせにしてやろうって。




けいが無邪気に、リョウに笑い掛け

「わんわんー。けいが、しわわせ、しだけるね。
　んふふ、ぎゅぅぅ――――――。」

そう言ってリョウをぎゅーっと抱き締めた。




オレは、『リョウ＿＿＿。』と呼んで

ポロリと零れたリョウの涙を

ペロリとなめ、すりすりと頭を擦り付けた。





ジーさんが言ってた・・

男が簡単に泣くもんじゃないって・・

でも・・。

リョウはジーさんがいなくなって

悲しくて悲しくて・・苦しくって。

泣いた・・。





オレは、リョウに問い掛けた

『ふふ・・。
　今のリョウの涙・・
　美味しい味がしたな・・・？』



リョウは小さく穏やかに笑って

『嬉し涙だから・・うまいんだよ。』


『そっか＿＿＿＿。』





兄貴が急に、リョウの名を呼んだ。

「ＲＹО＿＿＿＿。」

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