蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

＝“う”・２＝ ページ2

「だよなぁ・・。
　じゃあ、ちょっとオレ・・ここら辺の事情に
　詳しい裏のビルの占い屋のバーさんトコ行って
　聞いてみるわ・・犬、連れてった方がいいよ＿＿＿＿」

“な。”って言う前に・・

のんきなコトしてたら＿＿＿＿

ヤベェ・・けい、起きて来ちゃった・・・。




けいはペタペタ足音をさせて近付き

オレに、ぎゅーっと抱き着いて

ピョンピョンしながら


「せみぃ・・おおかみ、いる、ね。
　せみ、けいね、うでしー。よ。
　せみ、すき。ぎゅぅ――――。」



けいはオレをぎゅーっと抱き締め



すぐにしゃがんで、犬をじーっと見つめる。

「んふふ。おおか、み。おおかみ。
　けい、みる、の。じ―――――――。」



オレの足元にキチンと座っていた

大きな犬を見つめ

「おっきい、ねぇ。」

と言って、犬にぎゅぅぅっと抱き着いた。



「けい、おおかみ。ぎゅ――。する、よ。」




急に抱き着いてドキッとしたけど・・

犬は大人しく座って

けいに抱き締められている。




けいは、犬を抱き締めながら

「ニャーニャー」言ってる、

ねこに、話し掛ける。


「ねぇこ。ねこも、おおかみ、ぎゅー、して
　いいよ。せみは、めっ。けど、おおか、み。
　ぎゅ――。して、いいよ。」



ねこは、けいの言ってる事

通じてるのか、偶然か・・


犬に「ニャーニャー」言って

抱き着いた・・つーか、引っ付いた。




はぁ・・。参ったな・・失敗した。




オレは、しゃがんで

けいを見つめて諭す様に


「けーい。コイツは、狼じゃなくて犬だよ。
　わんわん。」



「・・わんわん・・？」



「そう。わんわん。
　で、この犬は・・けいの犬じゃないんだ。
　飼い主が居るんだよ。その人んちに
　帰るの。・・な？」




けいは、んっと口をして

「やっ。けいのっ。けいの、なの。
　ん――。けいの、らもん。・・やだのっ。」



そう言ってしくしくして

犬をぎゅーっと抱き締める。




・・しかし・・大人しい犬だなぁ。



「はぁ・・。連れて来ちゃったオレも
　悪かったけど。・・けい、我が儘言うな。
　コイツは飼い主が居て、飼い主が探して
　るんだよ。・・だからダメなんだっ。」




「やぁ〜〜だぁ〜〜。」

犬をぎゅぅぅっと抱き締め離さない様にして

しくしくと泣いている。


「はぁ―――。参ったな＿＿＿＿＿＿。」

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