蝉とけい‥みんなしわわせ。(ymxin)蝉シリーズ(５)

『みんなで、しわわせ。』＝“う”・１＝〜蝉サイド〜 ページ1

今日も速攻で、仕事を終えて

岩西のトコでシャワーに入り

けいの待つ家に帰る。

もう夕陽も沈むころだ＿＿＿＿＿。




ボロイビルの入り口の横に

赤い首輪をした一匹のデカい犬が居た。



そっと近付いてジッと見つめて・・

「・・ビビった。狼かと思った・・ら。
　ん〜・・ハスキー犬か？・・ん〜。
　・・しっかし何でまたこんなトコに？？」



大きな犬はピンッと耳を立てて

オレの顔を見上げた。




自然とオレは、犬に声を掛けた。


「おい、どーした？お前・・家は？
　・・迷子か・・。ん〜〜。参ったな・・。
　此処に居たら、保健所とか呼ばれて・・
　連れて行かれたり・・すんかな・・。
　でけー犬だしな・・。ん――、
　まぁ、いいや、ちょっと来いよ。
　ウチ、来いよ。ほらっ。」



犬は、オレの話しが分かった様に

スッと立って、オレの足元に来て

『じゃ、行こうか・・。』

って言っている様に首をクイっと動かし

オレをジッと見つめた＿＿＿＿。




ボロイビルの入り口を入って

犬はオレの後を静かにそっと付いて来る


「しっかし・・ちゃんと躾けられた犬だな。
　・・ホント・・狼みてーだなぁ・・。」





オレは階段を上がり

今では明るい温かなドアを開ける＿＿＿＿＿＿。





「ただいま＿＿＿。」




玄関を開けると

バーさんが出迎えてくれて


「あら、おかえりなさい。蝉さん。」




ねこがオレの足元にスリスリと頭を付け

「ニャーッッ。」と鳴き・・



オレの後ろに居た犬に近寄って＿＿＿＿

あっ、平気かなって思う前に

ねこは、犬にスリスリした。



・・犬見知りしねぇヤツだなぁ・・。

まぁ・・立派な犬だもんな・・。



っと。オレはバーさんにコソコソと

「バーさん・・なぁ、けいは？」



「今、寝てるの・・。
　しかし、大きくって綺麗なわんちゃんね？
　ハスキー犬・・？？どーしたのいったい？
　もしかして、狼の・・代わりに・・？」



「いや。ビルの下に居たんだ。・・たぶん迷子。
　だって、首輪してんしさ。飼い主探してやろー
　かと思って＿＿＿＿＿＿。
　しかし・・けいに見られない方がいいかもな。
　やっぱ、狼って勘違いしちゃうもんな・・。」



「う〜ん、そうだねぇ。
　けいちゃん、勘違いして・・自分のわんちゃん
　って‥思っちゃうかも・・。」



「だよなぁ・・。＿＿＿＿＿」
　

＝“う”・２＝→

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