奇妙な格好の ページ8
「ひ……ひいっ!!」
依頼人の男は体を起こすと、反対方向に逃げようとする。けれど、その先は行き止まりだ。
芥川の外套が蛇のように蠢き、男を捕縛しようと空中を滑る。
「待て芥川。探偵社は彼から護衛の依頼を受けてる。お前が彼を連れて帰ろうとするなら、僕が相手になる──それでも善いのか?」
「面白い」
芥川は後方に飛び、遠距離攻撃の為の距離を取った。
啖呵を切ったものの、こんな街中で戦闘になったら間違いなく周りに被害が行く。戦ったとして、あの時のように勝てる自信は無い。
──どうする。
冷汗が伝うのを感じた。
すると、黒塗りの車が僕らのいる路地裏の入り口に停車した。
扉が開くと、助手席側から人が降りる。
奇妙な格好の人物だった。
研究者、若しくは医者然とした白衣。目元を覆い隠す狐の半仮面で、女性か男性かも判らない。
「何処へ行かれていたのですか」
≪それはこっちの台詞なんだよね、芥川君≫
──芥川の加勢か。
36人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夕野きする | 作者ホームページ:http://http://commu.nosv.org/p/asubook/
作成日時:2019年2月23日 15時