趣味の悪い半仮面 ページ6
「そう云えば君、何しに来たの」
「任務だよ。マフィアをおちょくった奴を捕らえるから、芥川の補助をしろだと」
「ええ?わたし彼の事苦手なんだよね」
「前からそうだな、何でだよ?」
「昔のわたしに似てる」
機械が、コップに珈琲が溜まったことを知らせる。Aはそれを取り、角砂糖を投入していく。1個、2個、3個、4個。それを見て中也は顔をしかめた。
「手前、そんだけ入れるならカフェオレ飲めよ」
「人の嗜好に口出ししないで貰いたいね。それより、その任務って何時から」
「芥川が先走ってビルを出ちまったから、追いかけて合流しろとの事だ」
「それ紅茶飲むより先に云ってくれる?」
彼女は立ち上がると、扉の前に掛かっている白衣に袖を通し、仮面を被って目元を隠す。
「何度見ても趣味の悪い半仮面だな」と中也が揶揄う。
≪そう云わないでよ。ドクターからの下賜さ≫
彼女の声はノイズが混じり、およそ人間には出せない音となっている。変声機のスイッチを入れたAは、にやりと口角を上げた。
≪じゃ、行ってくるよ≫
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作者名:夕野きする | 作者ホームページ:http://http://commu.nosv.org/p/asubook/
作成日時:2019年2月23日 15時