わたしのポリシー ページ13
『それは善かった』薄っぺらな液晶のの向こう側で、からからと笑い声が聞こえる。出来る事なら今すぐこの画面に手を突っ込んで、太宰の頸を死なない程度に絞めたい。
「それで?何の用」
『なにね、先程連絡があった。私の部下が君に逢った、と。御陰で此方は大騒ぎだよ』
「それはそれは、
底の読めない明るい声で話す端々に毒が滲み出ている。「私の部下」の部分がやや強調されたのは、多分気の所為ではない。
「太宰」
『何だい?』
「水質の悪い川に飛び込んで1週間くらい寝込め」
何がおかしいのか、また向こう側で笑い声が聞こえた。相も変わらず一挙一動が勘に障る。
「何がおかしいの、電話切るよ」
『いや?そこは普通〈川に飛び込んで死ね〉じゃないかと思って』
「それだと君が喜ぶだけだし、何よりわたしのポリシーに反する。知ってるだろう──特に君は」
死者蘇生を持っているからと言って、命を軽んじる理由にはならない。むしろその逆、失う命は1人だっていない方が善い。喩えそれが心の底から嫌っている男であっても。
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作者名:夕野きする | 作者ホームページ:http://http://commu.nosv.org/p/asubook/
作成日時:2019年2月23日 15時