ファイル39 ページ43
『これはね。ストラップ型発信機って言うの』
萩/松「「ストラップ型発信機?」」
手に持ったそれに目をやりながら声をそろえて言う二人。
益々分からなくなったとでもいうように、首を傾げる。
私は説明を続けた。
『そう。普通のとは違って、GPSが中に備えられているの』
萩「何でそんな物を俺らに?」
『だって、私と関わっているって此方側の奴らに知られたら、二人に被害が及ぶのは確実でしょう?』
だから、その対策として。と言えば納得してくれた研二さんと陣平さん。
まぁ本音を言うと、六割が今の理由で、残り四割が阿笠博士が作ったシール式発信機に似たものを作りたかったからなんだけど。
(我ながら良く出来たと思うわ)
二人に渡したストラップを見ながら思った。
ちなみに、製作時間は二時間くらい。
もう少しかかると思っていたが、中々早く完成した。
『それ、チェーンのところを引っ張るとGPSが作動して私に居場所が伝わるようになってるから。もし、何かあったら使って』
そう言うと、二人は互いに顔を見合わせ、笑った。
私が眉を
萩「ありがとう。玲ちゃん。使わせてもらうよ」
松「そんな心配そうな顔すんな。俺達は仮にも警察だ。自分の身ぐらい守れないとな」
萩「それに、これは俺らが望んだことなんだよ?玲ちゃんが責任を感じる必要はないさ」
松「萩原の言う通りだ。お前がそんなんだと調子狂う」
近くに来て、頭にポンと手を置く二人。
その手は大きくて、とても暖かかった。
目を閉じてされるがままになる。
そんな私の様子を見た二人は、というか研二さんが身を引き寄せ抱きしめてきた。
『け、研二さん…?』
萩「大丈夫。玲ちゃんの辛さは俺が背負うから」
『!?』
研二さんの行動に戸惑っていると、後ろから腕を引っ張られ引き離される。
ポスッという音と共に、今度は陣平さんの腕の中にいた。
『え、陣平さん!?』
松「萩原だけじゃねぇ。俺も玲の辛さ、悲しみ、背負う」
萩「あははっ。松田必死すぎ…っはは。ねぇ玲ちゃん。松田も俺も君に救われたんだ。
全てを背負うのは無理かもしれない…でも、命を助けてもらった分くらいは恩返しさせてほしい」
松「玲は一人じゃねぇんだ。俺らがいる。なぁ望月、海藤」
望/海「「勿論!/あぁ」」
彼らの言葉を聞いて、泣きそうになる。
救われたのは私の方だ。
今日程、皆の優しさに感謝した日はない。
440人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宵宮月 - 水縹さん» ありがとうございます。取り敢えず、勧めてくださったお姉様と、ハマってくださった水縹様に感謝です!あ、どうでもいい話ですが、姉がいるっていいですね。うらやましいぃ(( (2018年3月29日 17時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
水縹 - 姉に勧められて読んだのですが…ハマりました。完全に。もう、面白くて好きです!ほんと好きです!頑張ってください。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: 82e8451007 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - ゆきさん» 設定がツボとは...ありがとうございます!私もです← こうだったら良いなぁと思うものを詰め込んだら、こんな設定になりました(笑)更新は遅いですが、気長に待っていただけると幸いです。 (2018年3月11日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初コメ失礼します!夢主の設定が凄いツボです!あと、面白くて好きです!ありがとうございます!! (2018年3月10日 1時) (レス) id: 7e2effa0f0 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - aboutさん» ありがとうございます!そう言ってくれる貴方の方が神だよ...嬉しすぎて顔ニヤける((タメですみません; (2018年2月22日 20時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宵宮月 | 作成日時:2017年8月6日 17時