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私は持ってきていたバッグの中からパソコンと小型インカムを取り出す。
パソコンは萩原さんの時同様、爆弾と繋ぐ。インカムは右耳に装着した。
萩「!…そのパソコン、そのやり方。もしかして君は、あの時の…?」
松「あの時?萩原、お前こいつと会ったことあんのか?」
萩「あぁ、多分。でも、髪型や顔が違う…」
松「?」
さすがは萩原さんと言うべきか、パソコンの種類や爆弾との繋ぎ方だけで分かったようだ。
まぁ、確信まではしていないみたいだが。
未だにぶつぶつ言っている萩原さんを横目に、四年前と同じやり方で精密部に侵入する。
パソコンの画面には大量の文字羅列が流れてきた。
それを目で追いながら、手元の爆弾の配線を切っていく。
「「!?」」
萩「やっぱり…君はあの時のお嬢ちゃんだね」
松「意味分かんねぇーが、萩原と面識はあるようだな。お前、何者だ?」
『クス、さぁ?何者でしょうね…』
松「はぁ?ふざけてねぇーで答え『じゃあ、この爆弾を解除するの手伝ってください』
…分かったよ。萩原、手伝うぞ」
そう言うと松田さんは水銀レバーを、萩原さんはその他のコードを解除していった。
そのスピードはエースなだけあって、あっという間に解除し終わり、残りは一本だけとなる。
しかしそこでどちらも手を止めてしまう。
『どうかしましたか?』
松「このコードを切れば、もう一つの爆弾の在処が分からなくなっちまう」
萩「悔しいが、ここまでだぜお嬢ちゃん」
唇を噛みしめ、悔しさを露わにする二人。
しかもそれは、自分達が死ぬ悔しさではなく、この事件に一般人(?)である私を巻き込んでしまったという悔しさだった。
そんな二人を見た私は、一度パソコンに目を落とした後、右耳につけていたインカムに手をあて、電源を入れた。そして…
『望月、もう一つの爆弾はどうなった』
松/萩「「なッ!!」」
望《はい、玲様。先ほど米花中央病院で発見し、たった今、修了致しました。被害はありません》
『そう。良くやったわ…直ちに撤退しなさい』
望《畏まりました》
会話が済むと、私は固まっている二人の方を向き、望月からの報告を伝える。
その報告を聞いた二人は驚いていたが、病院の患者たちが無事なことを知ると安心したようにほっと息をついた。
そして私と視線を合わせる。少し警戒している目に、思わず吹き出しそうになったがそれを堪え、悪戯な笑みを浮かべて言う。
『言ったでしょう?死なせないって』
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宵宮月 - 水縹さん» ありがとうございます。取り敢えず、勧めてくださったお姉様と、ハマってくださった水縹様に感謝です!あ、どうでもいい話ですが、姉がいるっていいですね。うらやましいぃ(( (2018年3月29日 17時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
水縹 - 姉に勧められて読んだのですが…ハマりました。完全に。もう、面白くて好きです!ほんと好きです!頑張ってください。 (2018年3月25日 16時) (レス) id: 82e8451007 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - ゆきさん» 設定がツボとは...ありがとうございます!私もです← こうだったら良いなぁと思うものを詰め込んだら、こんな設定になりました(笑)更新は遅いですが、気長に待っていただけると幸いです。 (2018年3月11日 22時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 初コメ失礼します!夢主の設定が凄いツボです!あと、面白くて好きです!ありがとうございます!! (2018年3月10日 1時) (レス) id: 7e2effa0f0 (このIDを非表示/違反報告)
宵宮月 - aboutさん» ありがとうございます!そう言ってくれる貴方の方が神だよ...嬉しすぎて顔ニヤける((タメですみません; (2018年2月22日 20時) (レス) id: ded44c7654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵宮月 | 作成日時:2017年8月6日 17時