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「ねえ河村、明日はどこ行く予定なの?」
「うーん……………秘密です」
「えー、なにそれ怪しい」
「…僕の我儘に付き合ってもらうことになる」
「なになに、怖いなぁ」
昨日朝ご飯を食べた後に確認したらこの宿の宿泊は「今日」までになっていた。てっきり4泊まるっとここに泊まると思っていたために驚いた。彼に全てのプランを丸投げした為今後の予定が全く分からず、明日どこに泊まるのかが気になって仕方がない
「うーん、どこだろう…大阪とか?グリコ見に行くの?」
「金栗四三でもないし大阪でもない」
いかにもクイ研みたいな返事が返ってきた。どうやらヒントを教えてくれる気も無さそうだ
「ねぇ、帰ったら何しようか」
「そうだなあ、今回は僕の我儘に付き合ってもらったので、今度は福良さんの好きなところに行きましょう」
「それだと俺一生外でなくなっちゃう」
「それは僕もなんだなあ」
元々似た者同士なのか、3年という月日が俺たちをこうしたのか分からない。ただ俺達はよく似ていて、それゆえウマが合う「恋人」であり「親友」のような存在だ
「明日朝早いんならもう1回温泉入っとく?」
「丁度僕も同じこと考えてた」
「やっぱり似てるなあ」
「え?」
「ごめんごめんこっちの話」
今日はこの後コーヒー牛乳でも買おうなんて考えながら、お揃いの浴衣を着て大浴場へ向かう。今日も夕焼けが綺麗だ
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時