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「福良さん、起きて!」
「う…かわ、むら?」
目が覚めると目の前に河村がいた。なんだか体が熱い気がする
「…あ、ごめ、ご飯作るね」
「何言ってるんですか、倒れてたんだから大人しくしといてください」
「え、俺が?」
「リビングに行ったら福良さんが倒れてたから死んだのかと思って本当に焦った」
彼は少し怒っているように見えて、また悲しくなる。俺は彼にとってどのような存在なのだろうか。ただの迷惑な伴侶に過ぎないのではないかという不安が一気に押し寄せてきた
「ごめん、俺迷惑かけてばっかで」
限界だった。熱に浮かされる俺はひたすらに涙を流すだけで、拭うことすらもできない
「何馬鹿なこと言ってるの!…僕は福良さんの全てが好きですから」
彼は少し怒気を含んだ口調で言った
「好きだから無理をされると腹が立つ。僕のことが嫌いなのかなって不安になる。僕は福良さんの全てを愛しています」
耳を真っ赤にして彼はそうまくし立てた。そっと俺の顔に手を持ってきて涙を拭ってくれる
「…俺、幸せだな」
「不安にさせてすみません。幸せにしますから」
「ほんとだよ、俺不安で死ぬかと思った」
「福良さん」
彼が俺の目を見て、ゆっくりと口を開いた
「地球に、残りましょう」
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時