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「まあ、拓哉が元気そうで良かった」
「うむ」
「ちゃんと福良くんに面倒みてもらいなさいよ!」
「よろしくお願いします、福良くん」
「いやぁ…頑張ります」


今日は彼のご両親がお見舞いに来てくれた。2人には俺が状況を電話で説明していたのでスムーズに事が進んだ


「しかしごめんね、福良くん。弟のフリなんかさせちゃって」
「いや、俺は大丈夫です。ただ、俺が配偶者じゃないばっかりに。すみません」


俺がちゃんと配偶者だったら、と今回何度も考えた。俺は戸籍上「他人」な訳で、もし彼に何かあっても手術の同意書も何も書けないのだ


「福良くん、自分を責めないでくれ。僕は拓哉が立派な恋人を持ってくれてとても嬉しいよ」
「…ありがとうございます」


お義父さんにポンポン、と肩を叩かれた。去り際に2人は「これからも仲良くね」と手を振って行った


「…じゃあ俺も帰ろうかな」
「分かった。じゃあまた明日」
「あ、福良。髪の毛に毛糸ついてる」
「え、どこどこ?」
「あー、しゃがんで」


彼に言われるがままにしゃがむと、耳たぶにちゅ、と甘いキスをされた


「……うわ、狡い。騙された」
「してやったり」


少し落ち込んだ時に彼のしてくれる優しいキスが、とても好きだった。それを思うと、涙が零れ落ちた


「え、まさか嫌だった?」
「そ、んなわけない。ただ、もう、本当にキスして貰えないんじゃないかと思って、」


ずっと気が張っていたのが、彼のキスで緩んでしまって涙が止まらない。王子のキスで魔法が解けたように、俺の心は彼の仕草ひとつで救われる


「河村、愛してる」
「うん、知ってた」


笑顔の君をぎゅっと抱きしめた

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作者名:めろんぱん | 作成日時:2020年12月10日 2時

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