皇帝の裏側 Part２【あんスタ】 (ページ38)

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怪盗、目が覚める。の巻ページ38

朔間凛月side

頭に乗った温かさと共に、俺が聞きたくて聞きたくて仕方なかった声が降ってきた。

『……ありがとう、凛月…』

バッと顔を上げれば、力なく微笑むAがいた。
あんなに白かった頬には薄く、でもしっかりと、赤みが差していた。

俺は今一度込み上げて来た涙を拭い、Aをぎゅっと抱き締めた。

凛月「おかえりッ…おかえり、A…！」

『うむ。心配をかけたのだよ。』

凛月「本当だよッ、俺、すっごい心配したんだからッ…良かった、ほんとに良かったッ。」

子供のように泣きじゃくる俺を、Aはずっと、優しく頭を撫でていた。

と、その時、ガラガラと病室の扉の開く音がした。入って来たのは…

レオ「おーいリッツ。A起きたか…って、お前なんで泣いて___A？！」

なずな「ちょ、レオちん、病院内では静かに…って、Aちん？！起きたのら？！」←

『こらこら。２人とも煩いのだよ。病み上がりの頭に響くのだが。』

王さまと、なずにゃん(瀬名の呼び名を真似た)。
王さまはなんか二重に驚いて、軽くパニックになってる。
なずにゃんは、Aに駆け寄って「良かった」って言いながら俺と同じようにAを抱き締めた。

レオ「あぁ、良かった…リッツが泣いてるから何かあったのかと思った☆」

なずな「取り敢えず、Aが無事で良かったよ。」

レオ「そうだな！というか、リッツ泣きすぎだぞ～？セナみたい！」

凛月「俺セッちゃんほど泣き虫じゃないし～。なずにゃんも泣きすぎ。」

なずな「うにゅっ。お、おみゃえも泣いてたらろ！」

凛月「噛みすぎて何言ってるか分かんな～い。」

なずな「このッ…」

『まぁまぁ。病院で喧嘩なんかしないでくれたまえ。』

ありがとう、A。
生きててくれて、ありがとう。