皇帝の裏側 Part２【あんスタ】 (ページ37)

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怪盗、彷徨う。の巻ページ37

天祥院Aside

気がついたら暗闇の中だった。
なぁんにも見えない、真っ暗闇。
自分の手さえも見えない。
今自分が前を向いているのか後ろを向いているのかさえも分からない。
酷く冷たく、孤独な空間にいた。

『…僕は、死んだのだろうか…』

これより前の記憶は、確か…
学院で合宿をしていて、僕は皆の衣装を作ってて…途中、少し休憩に出た時に…

『…吐血、か。また、倒れたのだね、僕は。本当に迷惑な身体なのだよ。』

自嘲気味に笑いを浮かべたその時、僕は一筋の光に気づいた。
人とは、不思議なことに、明るい方向に向かう習性がある。

僕はフラフラと立ち上がり、その光の方に一歩踏み出した。否、踏み出そうとした。

？「お願い…目を覚ましてよ…」

声が聞こえたんだ。
聞いたことのある、懐かしいあの声が。
泣いているのか、湿っぽくて、でも芯の強さは残ってて…

『凛月…』

凛月「俺ッ…Aが、いないと毎日がつまらないッ…！早く目を覚ましてッ、Aッ…！」

生きなきゃ。
そう思ったんだ。
あの凛月がこんなにも僕のことを思ってくれてる。
まだやり終わってないことも沢山ある。
生きなきゃ、生きたい。

そう思ったから、目が覚めたのかな。

気がつけば、目の前は真っ白な天井で、視界の端に点滴が見えて、自分に抱きついて泣いている凛月がいた。

『……ありがとう、凛月…』

僕は、そう言って彼の頭に手を乗せた。

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凛月オチっぽくなってますけど、オチは決まってないですw

あと、仮死状態？の時の暗闇は、僕の祖父が死にかけた時の実話を元にしてます。