審神者の去る日〜�� ページ29
【審神者の去る日】
『審神者・A殿。
貴殿の身分に詐称の事実あり。
厳重なる審議の上、処分を数日後に言い渡す』
小難しい内容の手紙を前に、こんのすけが顔をしかめていた。
「むぅ…主さま。これは？」
「昨日届いた令状です。先日、政府に私の正体がバレてしまいましたからね」
「！！」
Aは呑気に湯飲みに茶を淹れる。
「と言うことは…」
「ここを出ていかなければならない可能性があります」
「ええっ！！？」
ことの始まりは先日行われた【政府主催の会合】だった。
その会場が時間遡行軍に襲撃されるという事件が起こった。
怪我人こそ出なかったが被害はそこそこ大きかった。
――そんな前代未聞の緊急事態の中。
刀剣男士と共に刀を振るい、事態鎮圧に大きく貢献したひとりの審神者がいた。
その名も【白の審神者】。
圧倒的な力で時間遡行軍を斬り伏せ奮闘する様は、戦いを見守っていた人々に強烈な印象を残した。
事件は収束を迎えたが、それは同時に【白の審神者】が【人ならざる者】だということを知らしめる切っ掛けとなった。
「『身分の詐称』というのはそういうことでしょう。政府は私を【普通の人間】だと認識していたでしょうから」
「主さまが【鬼神】だと知るのは総帥の明里(あけさと)さまを含む一部の人間だけだったはずですね…」
審神者となる種族は【人間】が圧倒的に多い。
霊力や才能、資質など類い稀なる力を持ったほんの一握りの者が審神者に選ばれる。
「本来、審神者に身分は問われません。つまり人でも神でも鬼でも、素質さえあれば誰もが審神者になり得るわけですね」
「では主さまも問題ないのでは？」
「そうですね。ですが問題はなくても、【受け入れられるわけではない】ということです」
Aが見上げた空は、ほんのりと夕焼け色に染まり始めた。
「人は【自分たちと違う者】に恐怖を感じます。【黒の本丸】も落ち着きを取り戻した今、得体の知れない私をここから追い出したいのでしょう」
「だから審神者を辞めろと！？これまで散々頼っておきながらなんて勝手な！」
「いずれ脅威になると判断されてしまったのかもしれませんね」
「総帥の明里さまは何と？」
「随分掛け合って下さっているようですが上層部は聞く耳を持たないそうです。人が神や鬼に畏怖(いふ)を抱くのは、特別不思議なことではありませんからね」
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
