散歩日和〜�� ページ28
【散歩日和】
「私が思うに、主が最も親しいのはあのお二方ですよね？」
「鶴丸は最初に歩み寄ってくれた大切な刀です。審神者になる覚悟を再確認させてくれた恩刀ですね」
確かに鶴丸とは仲が良い。
しかし最近、鶴丸の態度が変化していることに彼女は気が付いていない。
「なるほど。では加州殿は？」
「彼は一生懸命私を支えてくれます」
「お二人はひときわ仲睦まじいように見えますね」
「人懐こくて明るくて優しくて、しっかり者の自慢の近侍です。真面目すぎて私の近侍は一生自分一人だけでいいと言ったりして」
Aは人差し指を唇に当てると、悪戯ぽく笑う。
「実は、清光はこうして私が他の誰かと一緒にいるのが少し嫌みたいなのです」
「ほう？」
「清光は私を少し特別な目で見ているのだと思います」
「……」
「清光はきっと私を…例えば姉を取られる弟の気分と言うか、そういう感じで見ているのだと思うんです」
「………ん？」
「一期もご兄弟が多いから、そういうのがおありでしょう？」
「え？…まぁそうですね…ってそうではなくて…たぶん加州殿のはそう言う意味ではないと思いますが」
「えっ？」
一期は軽く咳払い、Aの前に立つ。
山茶花をひと枝たおると、すっとAの髪の添えた。
「はは、主はお美しいな。とてもお似合いです」
「一期？」
「実は私も気が気じゃありませんでした。既に主には、誰か他に心に決めた方がいるのではないかと不安になっておりました」
Aの髪をひと束すくうと、その毛先にそっと口づけた。
「ですが今の話を聞いて安心しました。どうやらまだまだ焦る必要はないようですな」
肩を寄せ、その耳元に甘く囁く。
「主、忘れないでください。貴女をお慕いしているのは彼らだけではないのですよ」
一期はAの頬を優しく撫でる。
「勿論私も譲ってあげる気はありません」
「…？」
「さてそろそろ戻りましょうか？お部屋まお送りします」
一期は再びAの手を引いた。
「一期はたまに難しいことを言いますね。少し驚きました」
「私もいつも聡明な貴女にこんな鈍感な一面があったとは、驚きました」
「ど、鈍感…」
「加州殿やあの鶴丸殿が苦労する訳です」
門の前では加州と鶴丸が主人の帰りを待っていた。
一期とAの仲良く繋いだ手を見て、その顔が一瞬引きつったのは、もちろん言うまでもない。
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
