収束〜�� ページ24
【収束】
雛野は目を輝かせる。
「加州くんっ…！」
Aの持つ【加州清光】に手を伸ばした。
ひょいっ。
Aは軽い足取りで後方へ下がると、その手をかわす。
「いけません雛野さま。残念ですが、今のあなたではこの刀に触れられないのです」
「何言ってるのよ！？いいから返して！わたしの加州くんを今すぐ返してよ！！」
「雛野さ…」
「うるさいうるさいうるさい！！」
雛野の頭には加州のことしかない。
必死にAに掴みかかろうとした。
そのとき――。
「待ちな」
現れたのは、和泉守兼定だった。
Aの指示で、会場の外を守っていた彼もやはり多くの敵と交戦したようだ。
顔や衣服のあちこちに返り血が飛んでいる。
「主、今戻った」
「お疲れ様でした和泉守。お怪我はありませんか？」
「あぁ問題ねぇ。あんたの読みどおり外にも敵がわんさか出やがった。まぁ残らず片付けてきたけどな」
「ご無事で何よりでした」
「久々の大暴れでこっちもスッとしたぜ。それはそうと…」
和泉守は雛野を見下ろした。
「ずいぶんと久しい顔だな」
「和泉守、さん…」
「見覚えがあると思ったが、まさか前の主がいるとはねぇ。こりゃどういう巡り合わせだ？」
「兼さん、この人が犯人だったんだ。本丸を襲ったのも、審神者たちを殺してたのも、全部この人の仕業だったんだよ」
堀川の言葉に和泉守は軽く笑う。
「へぇ？時間遡行軍と手を組んだってわけか。ついに堕ちるとこまで堕ちちまったな嬢ちゃん」
「違うの和泉守さん！わたしの話を聞いて！！」
「もと主従のよしみだ。これ以上罪を重ねる前にオレが終わらせてやろうか」
和泉守が腰の刀に手を置いた。
「じょ、冗談でしょう和泉守さん…だってわたしは…なにも…」
「安心しな。痛みはねぇ」
「ひっ…」
刀を抜いた。
ギラギラと青く光る瞳が痛烈な殺気を宿している。
彼は本気だった。
「覚悟しな」
「――っいやぁぁ！！！」
雛野は頭を抱えその場にうずくまった。
助けようとする者はいない。
振り抜いた刀が風を斬った。
雛野めがけて振り下ろされる。
――しかし、和泉守と堀川には分かっていた。
これは只の憂さ晴らしだ。
わかっていてこんな行動に出た。
わかっている…。
彼女が必ず止めに入ることを――。
キィン！！！
雛野の叫び声がかき消えた。
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
