決断〜�� ページ20
【決断】
結界外では無数の遡行軍と刀剣男士たちが戦っていた。
その奥で雛野が佇んでいる。
「私が参りましょう。雛野さまは私が責任を持ってお止めします」
「しかしA殿…貴女さまの正体を皆に知られることになりますぞ」
審神者とは本来【現世の人間】がなる。
ここでAが戦えば、彼女が人でないことが周知される。
「上層部に知れれば除名は免れませぬぞ」
鬼神であるAを秘密裏に審神者として招き入れたのは、明里と彼の部下である一部の人たちだ。
「私のせいで明里さまにはご迷惑をお掛けしてしまいますが」
「何を仰いますか…そんなことはどうとでもなります！Aさまが除名となったら、本丸の刀剣男士たちをどうなさるのです？彼らには貴女さまが必要です」
やっと出来上がった刀剣たちとの信頼関係。
大切な絆を壊してしまうのでは。
明里はそれを心配しているのだ
「彼らには私からちゃんと謝ります。大丈夫、必ず分かってくれますよ」
「しかし…！」
「今は雛野さまと遡行軍を討つのが先決です。多くの人が危険に晒されることになりますから」
「……っ」
押し黙った明里にAは微笑んだ。
「明里さま。総帥として、審神者である私にご命令をいただけますか？」
「……」
明里は深いため息をついた。
「A殿…私は貴女さまを除名になどさせませぬぞ。そうでなければ、刀剣男士たちに合わせる顔がない」
意を決し威厳ある声で、総帥として命を告げる。
「【審神者・A】。人に害為す時間遡行軍の掃討及び、元審神者・雛野の確保を命ずる」
「――承りました」
Aはすっと手を伸ばした。
いつの間にかその手には、朱塗の美しい刀剣が握られている。
「A殿、それは？」
「清光が預けてくれたんです。会場に一緒に行けないなら、せめて刀として私の側にいたいと言ってくれまして」
半ば強引に渡されたようなものだったが、加州の優しさが嬉しかった。
「彼らの主人は、やはり貴女以外ありえませんな」
「ふふ、光栄なことです」
するとAは躊躇いもなく結界の外に踏み出した。
すらりと刀を抜くと低く構えた。
その切っ先を雛野に向ける。
すると雛野が歪んだ笑みを浮かべた。
「うふふふ。なんのつもりですか？心配しなくても、貴女はこれから死ぬのですわ！！」
雛野の合図と同時に時間遡行軍がAに向かって襲いかかった。
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コトナガ(プロフ) - 名無しくんさん» お読み頂きまして本当にありがとうございました。次回もどうぞよろしくお願いします！ (2020年8月9日 10時) (
レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
名無しくん(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初の方からずっと楽しませていただきました！とても素敵な終わり方でとても面白かったです！続編も楽しみにしています！ (2020年8月8日 21時) (レス) id: 330cc05ab0 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - コトナガさん» 完結おめでとうございます！！ 最後の最後で夢主との再会してくれた！！鶴丸さん、かしゅう良かったね 続編も楽しみに待ってます！ (2020年8月7日 16時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
コトナガ(プロフ) - 鈴桜さん» 先日はコメントありがとうございました。おかげさまで最終話を迎えました。また続編を作ったときは読んで頂けると嬉しいです。それでは失礼いたします。 (2020年8月7日 10時) (レス) id: 14cecc8eec (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - まさかの夢主の師匠と兄弟子がぁ！！ 続きどんな事になるんだ！！ そして、夢主はどうしてるのか気になります (2020年7月31日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コトナガ | 作成日時：2020年2月2日 1時
