△_ ページ12
「終わった！」
それから数十分後、Aが作業を終えたので近くのイタリアンへ2人で向かった。
その道の途中、喧嘩をしているカップルが2人の横を通り過ぎた。
「…っ、」
男の怒鳴り声に身体を震わせたA。咄嗟に脇はAを抱きしめた。
脇「大丈夫よ、俺がおるけん。」
「…うん、うん。」
脇「大丈夫、大丈夫や。」
自分の声だけがAに聞こえるように、脇は小さく、でも力強くAに唱え続けた。''大丈夫''と。
少ししてから、Aの身体の震えは止まっていたので、抱きしめる力を緩め顔を覗かせた。
「も、大丈夫。」
脇「強がらんでいいけん。」
「強がりじゃないよ、大丈夫。脇くんがおるけん、大丈夫。」
その言葉が、脇の心を軽くさせた。勝手に抱いた罪悪感を拭い去ってくれるような、Aの優しい声だった。
「脇くん、いつも守ってくれてありがと。」
脇「当たり前。」
脇はAを抱えると走り出した。あの日を思い出すが、なにもかも全てが違っている。
「はやーい！」
脇「元バスケ部やけん！」
あの日みたいに、何かや誰かから逃げるために走ってるのではなく、ただ今を楽しんでいた。
脇「疲れた。」
「歳ですかね？」
脇「2歳しか変わらんやろ(笑)」
笑ってみせたAの頬に口付ける。
「なんのちゅーですか。」
脇「ないしょ。」
悪戯に笑う脇も、呆れて笑うAも、ただただ楽しそうだった。
＿＿＿＿＿
ずっと変わらず想い続けている。
俺らの、俺の、宝物。
あの日の想いも、胸に抱いたまま。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はんな - この小説の脇くんがツボすぎます！溺愛主人公ちゃんこれからも楽しみにしてます！！ (2018年10月9日 6時) (
レス) id: 951e13eb70 (このIDを非表示/違反報告)
なーたぬ - もっといっぱい書いて欲しい！たのしみにしてるよー！ (2018年10月7日 17時) (レス) id: 6af0cea780 (このIDを非表示/違反報告)
さあや(プロフ) - いきなりコメント失礼します！あの、MJ脇ではなくMGです、！ (2018年10月4日 21時) (レス) id: e6c0596515 (このIDを非表示/違反報告)
怪(プロフ) - 一応言っておきます！MG脇です！ (2018年10月4日 16時) (レス) id: 18cec1c29a (このIDを非表示/違反報告)
しろえび - ここのレペ小説の中で一番好きです！主人公ちゃんのキャラが無理しすぎない感じがすごく好きです！！！更新楽しみにしています！ (2018年10月4日 0時) (レス) id: f125640495 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sei | 作成日時：2018年10月3日 16時
