Voyage (ページ10)

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入社したての頃は大変だった。

自宅勤務可とはいえ、最初の二週間ほどは新入社員教育期間。

いわゆる”研修”というものが必須であり、そのためには最初の二週間は必ず会社まで行かなくてはならなかった。

会社に行くには電車に乗って6駅ほど進んでから、乗り換えをする。

そして次はバスに乗って少し歩いてからようやく会社にたどり着く。

公共交通機関が苦手な俺にとっては最悪で。

なんでそこまで調べなかったのかと４人になんども呆れられた。

慣れないスーツに身を包み、慣れない電車に乗り、
慣れない乗り換えをして、慣れないバスに乗る。

これこそ地獄だと確信する。

前日も、次の日が憂鬱すぎてなかなか寝られなかった。

自分の部屋にいても寝られない。

そう思って、リビングのソファに座ってぼーっとしていた。

翔「あれ、、？ニノ？」

和「あ、翔ちゃん。」

翔「どした？寝れない？」

和「ん～なんか目が冴えちゃったんだよね。翔ちゃんは？」

翔「そっか。俺は今日の仕事の続きを終わらせてから寝ようと思って。カフェラテ作りに降りてきた。」

和「んふふ。翔ちゃん好きだもんね。カフェラテ。」

翔「ニノの分も作ろっか？ついでに。」

和「ん～じゃあ、お願いしてもいい？」

翔「おっけ」

リビングに降りてきた翔ちゃんは、

気を利かせて俺の分のカフェラテも作りに行ってくれた。

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