Voyage (ページ27)

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時計の針は８時ちょうどを指してる。

このくらいの時間にもなるとだんだんと日が落ちていって、辺りが暗くなる。

普段歩いて帰るようなことはしないため、帰り道をスマホで検索しながら歩いていた。

ドンッ。

和「いて」

スマホを見ながら歩いていたせいで、前で立ち止まっていた人たちの姿に気が付けなかった。

和「あっ、すみません」

東京では人にぶつかってしまうことはよくあるし、このくらいだったら大抵の人は一言謝ってその場を去る。

今回も反射的に謝って、その場を通り過ぎようとした。

、、、んだけど。

男「おい。ちょっと待てよ」

和「えっ」

腕をぐんと強く掴まれた。

和「ちょっ、ちょっと…！」

元々力がない俺の体はいとも簡単に体勢を崩す。

はっとすると目の前には知らない男の顔が３つ。

やばい、、、

男「おっ。お前かわいい顔してんな。中学生か？」

和「あ、あの…」

男「なぁちょっと俺らと一緒に遊ばね？」

和「や、あの、帰らないと行けないので」

男「は？俺らに歯向かうつもりかよ」

和「別にそういうわけじゃ..」

男「よぉ～し、分かった。そんなに帰りたいなら一発殴らせてから帰れ。最近イライラしてストレス溜まってんだよな」

和「えっ..やめっ..やめてください！」

あまりの恐怖に体がガタガタと震える。

自分よりもはるかに身長の高い男３人に囲まれてしまっては、周りの人たちに気づいてもらえることもなくて。

和「いやっ、、！ちょ、や！」

かなりの力で引っ張られる。

でも、今はそんな痛みよりも、恐怖の方がはるかに大きかった。

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