Toothbrush|27 ページ28
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『〜〜私は!!銀行で時限爆弾と向き合った時、怖かった。一瞬でも死を覚悟して頭が真っ白になった自分がいた
__松田は。3年前あんな密室で爆弾と共に閉じ込められて怖くなかったの』
だからこそあの観覧車がテレビに流れていても平然としているのが悔しかったのだ
「...もう3年も前だ」
『それでもまだ3年よ』
思わず下唇を咬んで瞳を伏せる
彼を纏う少量の水滴が滴り落ちてきた
__きっと、私の今の言動一つ一つが彼にとっては地雷を踏む行為で
...本当はこんな事したい訳じゃないのに
「...なぁ、お前っていつも朝早いよな?」
『何よ急に』
突拍子も無い事を聞かれ強気に返答を投げつける
「__もしお前が俺に対して変な心配とか不安とかあんなら捨てとけ。さっきの行動もそれに当てはまるなら明日の朝起き上がれないぐらい抱き潰す」
杯戸の観覧車がニュースに流れて勢いで消したのが一つの例な、そう言って近付いてきた端正な顔を慌てて押し返し、
『そ、そう言えば松田に聞きたい事があったの!!』
さも突然思い出した風に叫んで貞操を間一髪守った
...この瞬間のみではあるが
『アンタがここに現れてから私が毎日買ってくる煙草なんだけど』
「あ"ン?煙草?」
拒否られた事が余程気に入らなかったのか出た声は凍りつきそうだった
__「Aに一つだけ頼みがある。
...今日を120番からスタートして、これから毎日その番数を減らした煙草を買ってきて欲しい」
そんな松田からの頼みを受けスタートした120番は今じゃ100番を切った
『何でそんな買い方するの?』
普通は、自分の気に入った番数のものを吸い続けるものじゃないのかしらと不思議に思ったものである
そんな松田は口を横一文字に結んだまま空へ視線を彷徨かせた後口を開いた
「...まぁ好みじゃねぇ時もあるけどよ、生前出来なかった事をやってみるのもバチは当たんねぇかなって」
そうなのねと彼の言い分に疑問にも思わず頷いたこの瞬間の事を。
__私は酷く後悔する事になる
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ふぐひらめ(プロフ) - 自分の目が土偶のように腫れあがってしまいました。松田も西城ちゃんも悪くないんだよなぁ、でも報われねぇんだよなぁ…。もし余裕が出来ましたら、この二人の普通にイチャコラしてる話が読みたいです!生前の、になるのか別世界パロになるのかはお任せします。 (10月9日 11時) (レス) @page50 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 大変面白く、続きが気になってしまって一日で読破してしまいました…何処を探しても、こんなに泣いて考えさせられた小説はありません…!素晴らしい作品を、本当に有難う御座います! (9月30日 9時) (レス) @page50 id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 何度見ても涙が止まらないです。本当に、なんで死んでしまったのでしょうかね (2023年5月7日 14時) (レス) id: 86ac079c04 (このIDを非表示/違反報告)
kaki - こんばんは。何度も何度も読んでも涙が止まらないです、、涙が枯れるかと心配になるほど、出てきます。素敵なお話をありがとうございました。 (2023年5月6日 23時) (レス) id: 9254c6c927 (このIDを非表示/違反報告)
ミートボール(プロフ) - こんばんは。初めて小説を読んで声が出るくらい泣きました。とても読み応えがあって、「何度でも読みたい」と思う物語でした、、!たくさん小説がある中でこの小説に出会えて本当に良かったと思いました。素敵な作品を描いてくださって本当にありがとうございました。 (2023年3月21日 0時) (レス) @page50 id: abe3749231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年8月12日 2時