おい、歯ブラシ忘れてんぞ。【松田陣平】

Toothbrush｜２５ ページ26

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『安室さん...って、どちら様？』


「もう一人の店員さんで、すっごくイケメンさんなんですよ」


「私のお父さんのとこにも探偵の弟子入りしてて、安室さんの方が頭はキレるんですけどね」




きゃあきゃあ盛り上がるJKについていけないこの頃。年増かな




『へぇー...写真とか無いの？』



なんとなーく聞いてみれば彼女らはすかさず口を開いた



「安室さん、写真撮らせてくれないんですよ」


「奇跡的に取れても顔は絶対映って無いのよね。あり得ないぐらいにブレてるし、もしくは障害物が邪魔してたり」




何でだろうねー？？とその彼を知っている彼女達ですら解明出来ない摩訶不思議だと言う



思わずクスリと笑った




「西條刑事何で笑ってるの？」


『あぁ、そのね。私の同期にも写真撮らせてくれない奴が一人居たなぁって思って。その人を撮ろうにも写真映り悪くて全然見えないの』



懐かしい思い出を引き出せば、もうここにいるのは私と彼だけで




＿＿連絡なんて一切くれた試しが無いが、消息絶ったなんて事は...無いで欲しい






「絶対お似合いですよ。美男美女でお似合いになること間違い無し＿＿」


『私の事よりも、お二人の彼氏との進捗について聴きたいな』



ねっ？とウインク構し雑な逸らしをして強引に彼女らに向けた



すると分かりやすく可愛らしい程に真っ赤になる二人組。初々しい


それを頬杖つきながらニヤニヤして眺める私。誰かビール持ってこい



「ら、蘭は！！新一君からの告白の返事まだなのよね！！！」


「園子！！？」



先に売られたな蘭ちゃん。園子ちゃんの方もたっぷり聴いたげるからな



「＿＿まぁ、その。来月には修学旅行あるから...返事の内容は、前向きに検討してて...」



途端に朱に染める蘭ちゃん


あかん。眩しい。羨ましいけど何でコナン君まで赤くなってるんだ？大人の話過ぎたかな？？




『じゃ、次は園子ちゃんね』



次だ次だと早速惚気を催促する




「真さんは硬派で紳士で、時折見せる笑顔が可愛くって、たまに寝癖もついちゃってるし」



あ、これ止まんねぇな。なんかノって来てるし



「それで次の休み、二人で杯戸町の観覧車に行くんです！！」





最近リニューアルオープンされたみたいで！！




そう言って、はしゃぐ声も耳に届かず数秒フリーズした





＿＿杯戸の、観覧車





『...そっか。楽しみね』






紅茶に映る自分の表情はあまりに惨めで＿＿ミルクを垂らしてかき混ぜた

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