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Toothbrush|15 ページ16

松田side






今思えば、コイツとの出会いは最悪な形だった




ーー





数年前、警察学校





夏のある日、萩原と同じ科目の講義を受けて帰る時の事だった





__「お、成績貼り出されてんじゃん」





わらわらと人が集まる廊下



何事かと思いきや隣の萩原の一言で納得がいった





「さーってと、俺は何処らへんかな〜」




スキップなんぞして人群れに自ら飛び込む萩原。何が楽しいのかさっぱりだ





「おい松田。来てみろよ」




ほれほれと手招きする萩原だが如何せん人が集まって前に進めない




お前は何故そのポジに入れた





幸い視力は割りといい方なのでこの位置からでも充分見える




萩原が表に記された一名をトントンと指で差した






[西條A 総合成績5位]





『...女?』



聞いた事も見た事もねぇ名前だなとは思ったが、男ばかりのむさ苦しい空間で、しかも総合成績5位とは





「女子で5位って凄いね」




いつの間にか人ごみを掻き分けて俺の隣へやってきた萩原が口を開いた




こちらとしてはどんな奴なのかも分からないが




『まぁ女にしては頑張った方じゃねーの?』





特別大声を張り上げた訳じゃない


妬みなんてものも馬鹿にした意味でも無かった





『__あ"?』




何処からか聞こえたド低音




その瞬間、俺の頭一個分下から胸ぐらを掴まれた







『女だからって馬鹿にしないで』






睨みつける大きな瞳


整った眉は怒りで釣り上がっていた






まぁ俗にいう美人という奴で






「...別に馬鹿になんかしてねーよ。単純にすげぇなって。それに萩原だって似たよーな事言ってっぞ?」


「わ〜親友を売るなんて陣平ちゃんひどい」





こちらで勝手に茶番を繰り広げていれば掴まれていた胸ぐらを思いっきり引っ張られた





『アンタ名前は?』


「は?」


『名前を聞いてんの。早く名乗りなさいよ』




見かねた萩原が何の意味もなく右往左往し始めた。ちょっと静かにしろ





「松田陣平」


『...松田陣平。覚えたわ。



__私は西條A。いつかアンタの天パを一本残らず刈り上げてやるから覚悟しなさい』




女とは思えない馬鹿力で押されるように胸ぐらを離された俺はこめかみに青筋浮かべた





「俺もお前みたいな性格悪い女ごめんだわ」


『こっちこそアンタみたいな奴願い下げよ』





それから因縁の相手とはまさしくお互いの存在であり__当時は交際に発展するなんて思ってもみなかった

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設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平   
作品ジャンル:恋愛
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ふぐひらめ(プロフ) - 自分の目が土偶のように腫れあがってしまいました。松田も西城ちゃんも悪くないんだよなぁ、でも報われねぇんだよなぁ…。もし余裕が出来ましたら、この二人の普通にイチャコラしてる話が読みたいです!生前の、になるのか別世界パロになるのかはお任せします。 (10月9日 11時) (レス) @page50 id: 63e1c883be (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 大変面白く、続きが気になってしまって一日で読破してしまいました…何処を探しても、こんなに泣いて考えさせられた小説はありません…!素晴らしい作品を、本当に有難う御座います! (9月30日 9時) (レス) @page50 id: 6cfce3c49c (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 何度見ても涙が止まらないです。本当に、なんで死んでしまったのでしょうかね (2023年5月7日 14時) (レス) id: 86ac079c04 (このIDを非表示/違反報告)
kaki - こんばんは。何度も何度も読んでも涙が止まらないです、、涙が枯れるかと心配になるほど、出てきます。素敵なお話をありがとうございました。 (2023年5月6日 23時) (レス) id: 9254c6c927 (このIDを非表示/違反報告)
ミートボール(プロフ) - こんばんは。初めて小説を読んで声が出るくらい泣きました。とても読み応えがあって、「何度でも読みたい」と思う物語でした、、!たくさん小説がある中でこの小説に出会えて本当に良かったと思いました。素敵な作品を描いてくださって本当にありがとうございました。 (2023年3月21日 0時) (レス) @page50 id: abe3749231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年8月12日 2時

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