セカンド

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あれから自分からは逢いたいとは言えない日々が続いてる
断られるのも怖い
鬱陶しがられるのも怖い
だから･･･、
自分から連絡など出来なかった


藤ヶ谷さんから連絡が来るのを待つ日々
スペアキーを使ってくれるのを待つ日々
横尾さんには藤ヶ谷さんにスペアキーを渡したことを伝えると呆れられた。
あれだけ嫉妬心を剥き出しにしてくれていたくせに呆気なく。
彼女と上手くいってるんだろうと、勝手だけど少し辛くもなった
そこからは横尾さんとも疎遠になっていき、身体の関係もない
ただ同僚としては真摯に接してくれている



"今日行くね"


変わらず美容院も月一で通っている
藤ヶ谷さんは一週間に一度はアパートに来てくれるようになっていたから出来るだけ予定を入れずに過ごしてた
いつでも来てもらえるように


横尾さんに頼んで教えてもらった肉じゃがも既に美味しいと食べてくれた
ハンバーグも美味しいっと言って食べてくれた



そんな日々が3ヶ月ほど続いた頃には
料理も美味しいっと言って食べてくれなくなっていた


食後の会話も減り
藤ヶ谷さんは話しかけても上の空のことが多く
スマホを操作する回数が増えていっていた


そのスマホの画面をチラ見するとメッセージアプリの画面で、相手は彼女の名前だった


浮気相手は自分
奪おうと後出ししたのは自分
最低なのは自分



藤ヶ谷さんにとっては隣に俺がいても時間を共有しているのは彼女の方とだとそう思い知らされるようで心が苦しくなる
離れていても彼女と時間を共有している



俺との連絡は


"今日行くね"
"ごめん、行けなくなった"


この二文だけだったから
当たり前の日常に行う甘いメッセージなどない

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