セカンド

26 Y ページ26

眠っているミツに口付けをして、愛しい気持ちが溢れ出しそうなのを抑え、ベッドから起き上がる
昨日は結局抱けなかった。
抱きたかった
だけど、無理矢理してミツに嫌われたくもなかった


ミツの寂しさを埋めるためだけに抱いてあげてると思ってた
だけど、ホントは俺の方がミツを求めていたのかもしれないーー･･


こんなにも欲しい。
カラダだけじゃなくてココロも


でも、ミツの一番は俺じゃない
もっと早く行動に出せばよかった


もっと早く気づきたかった


でも、まだ遅くないよね？
ミツがココに戻ってきたということは。
あの人にも彼女がいるって聞こえてきた


ミツはあの人の一番じゃない


じゃあ、俺の一番は？
彼女と別れる勇気もないくせに
ミツが好き


結局は･･･ずるい
それでもこの子を失いたくはない


きっとミツは美容師と上手くいけば
俺との関係は断つだろう


そうは、させない


ミツ･･･


アルバイトに入って来てくれた時からどうしても一緒に働きたかった
生徒からの声もあったけど校長に猛プッシュして、ミツが入らないなら俺も転職すると脅したことをミツは知らない。
だから、破格な年収だったんだよ？


現に俺は色々な所から今の条件よりいい条件で引き抜きをされていて、それを校長は知っていたから


眠っているミツの髪を掻き分け、おでこにキスを落とす


「･･、ん...」


苦しそうに眉を寄せミツがゆっくり瞼を開ける


「･･･、おはよ、よこーさん」
「おはよ、ミツ」



このまま帰りたくない


だけど、ココには自分にあったサイズのシャツもないから。帰らなければいけない



「･･･ここに、俺のシャツやスーツも置いていい？」
「え？」



寝起きのまだ起きてない脳みそのミツに言うことじゃないと分かってる


「ここからも職場に通えるように」
「･･･、」



それは関係が一歩変わるかもしれないこと



「･･･、だって、彼女は.....」
「彼女は大丈夫。上手いこと言うし」
「･･･別れはしない？」
「うん。別れるつもりはないよ」
「･･･そう、」



俺のことなんて好きじゃないくせに
何でそんな顔をするの？
普通のオトコなら勘違いするよ、



「･･･ミツ、」
「ん？」


腕を引いて、起き上がったミツをギュッと抱きしめる



「考えておいて。俺の私物をココに置いてもいいか」
「･･････うん、」



あの美容師に渡したくない
この関係を終わらせたくない
子どものように独占欲がグツグツと湧き上がっていた

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