セカンド

25 Y ページ25

今日は遅番だった
隣でミツが寝ている
抱きしめた感じがフィットする


気づいた時には彼女とは情事もご無沙汰で、抱きしめたりすらしていない。


求められることはあったけど、
あまり乗り気がせず、気まづくならない程度に断っていた


ただ、疲れてるだけだと思っていたけど
ミツとはしてるから･･･
考えたこともなかったけど
その理由が昨夜分かった気がする


ミツから帰るとメッセージが着た時気が気じゃなかった。
周りを見渡すと、あの挨拶をしていた美容師もいなくて。胸騒ぎがした
こんな焦りを抱いている自分に自分自身が一番驚いた。


気づいたら、宮田に挨拶をして
タクシーに乗ってた
ミツのアパートへと向かうため
ミツはアパートには帰っていないかもしれない
でも帰っているかもしれない
ジッとなんてしてられず、向かっていた。


ついたら、アパートの灯りはついておらず、何度もチャイムを押したけど気配がない
きっとこの薄い壁なら気配ぐらい感じ取れる


先程から電話やメッセージに応答はなく
苛立ちが押し寄せてくる。


サッカーの結果さえ気にならない。
気になるのはニュースでもなくメッセージの通知のみ


それでも忘れず彼女に今日帰れないとだけはきちんと送っていた。
彼女と別れる気なんて更々無いのに。
結婚をする気にもなれない。
よく分からない想いと葛藤していたことがストンと胸に落ちてきた


・・・ミツ


今、他のやつに抱かれてるの？


あいつは誰？


ふと、ミツは家の近くの美容院へ通っていると言っていたことを思い出す。
あんなにも頻繁に美容院に行っていたことは疑問だったけどやっと腑に落ちた。
・・・自分以外にもミツを抱いてるやつがいたなんて。気づかなかった。安心しきってた。
ミツには今は自分だけだと。


近くの美容院を探すためネットを立ち上げ 地区名と美容院という検索キーワードで検索をかける。


美容院総合サイトで検索にヒットした店を開きスタイリストの画面を一件ずつタップしていった。
今は美容院のホームページにはスタイリストの紹介の際顔写真がついていることが多い
それを狙って検索していくと


見つかったーー･･･


トップスタイリスト 店長
藤ヶ谷 太輔


その顔写真と昨日会った人の顔が一致する
他にも連れで来ていた男女1名ずつの写真も載っていた。
この人だ、と確信する
ミツが頻繁に美容院へ行くのも
今日抜けたのもこの人が関係している


ミツは元々の恋愛対象が男性だからー･･･

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