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中に入ると、横尾さんは何やらメッセージのやりとりをしながら、奥へ奥へと入っていく。
腕を掴まれてまるで引率の先生と生徒みたいだ。
「あっ宮田」
「お!横尾さんー!」
そう言うと、ギャルソンの服装を纏ったすげぇー笑顔の男性が手を振っていた。名前を呼び合ってることから横尾さんのツレとはこの人なんだろう。
ってか、めっちゃ笑顔。汗すご。色んな意味で確かに熱いけど。
「無理言ってごめんな」
「何を言いますか!横尾先輩のためならおやすい御用やんすよ!」
「はははっ。ミツ、紹介するな。大学の後輩の宮田」
「宮田でーす!よろしく!北山先生!」
「・・・っ!?」
「あぁ。ミツの話宮田にしたことあるから」
・・・どこまで?
同僚ってとこまでだよな?
「宜しくお願いします。本日はありがとうございます」
「・・・かたいですなー」
「・・・・」
ノリについていけねー。
って思ってると、周りの五月蝿い声を掻き分けるかのように、ひとりの人の声が耳に入った。
「・・・北山さん!?」
ああ。もう、こんなに広いのに。
・・・・・・こんなに騒がしいのに。
「あー!やっぱり!北山さんですよね!?」
なんで、逢っちゃうんだろう。
期待していないなんて嘘だけど…
逢いたかったけど・・・
やっぱりこんな形では逢いたくなかった。
「藤ヶ谷さん、」
だって、
「こんばんわ。北山さん♪♪」
隣には、あの受付の可愛い女の子がいたから。
「北山さんもココで観戦するんですか!?」
「・・・はい、成り行きで」
「じゃぁ、一緒に見ましょうよ」
「・・・いや、お二人の邪魔しちゃ悪いんで・・・」
明らかに二人の空気は甘い。
美容師の藤ヶ谷さんよりも甘い。
この雑音に包まれてる中でも甘い。
「えへっ♡やっぱりバレちゃってました?私たち先月から付き合うことになったんです」
「・・・っておい、」
「いーじゃないですか!北山さんは常連さんなんですよ!」
「・・・っ、まぁ、そういうことですが・・北山さんは邪魔じゃありませんよ。二階堂も一緒に来てまして。あいつは今ドリンク取りに行ってます」
やばい。
倒れそう。
ただの予感が確定していく。
知らなければ、付き合えたとしたら…なんて。妄想もできたのに。
その妄想さえできなくなっていく。
叶わないと、
分かっていても確定してしまうのと、違う。
心臓が痛い。
「お誘いありがとうございます。折角ですがツレがいますので」
断るだけで精一杯だった。
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まいまい(プロフ) - ドキドキしすぎて私も好きな人の都合のいい相手になった気分です…宏光の気持ちがわかりすぎて切ない…ファーストも読みます!、 (2021年6月7日 8時) (レス) id: f1bcc9ce7b (このIDを非表示/違反報告)
R.Y kano(プロフ) - コメント失礼致します(_ _)セカンドとても面白かったです!ファーストも読みたいのですが作者様のページを見ても載ってなくて、どこから探せばいいですかね(--;) (2019年2月9日 9時) (レス) id: bbd6053d3d (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ももさん» 私も詳しくなくて、そうしていただけるとありがたいです (2018年8月11日 15時) (レス) id: cd6021df3e (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - りなさん» りなさん 遅れてすみません!設定で年齢のところだとは思うのですが、初心者で詳しくなくすみません、もしよければメッセージでリンクなどお送りしましょうか?(ノ´▽`)ノ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 5b51068866 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - ももさん» お返事ありがとうございます。どうやったら見られるようになるかおわかりになりませんか?セカンドとてもおもしろかったのでファーストも見させて頂きたいです。 (2018年8月10日 1時) (レス) id: cd6021df3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2018年6月2日 22時