青い夏 四章

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「え、ちょ、え！」

慌てる彼女はだるいはずなのに体を起こし
ベッドサイドに近づく

「ごめん！」と何度も謝る彼女に
私はただ笑みを返していた


「違うの、こうやってまた睦月と笑い会えるのが
本当に嬉しくて
嬉しすぎて、なんか泣いてる」

「A…
うん、私も嬉しい
私のせいやけど、でも、もう二度とAとこうやって喋ったりできないって思ってたから」

そういう彼女も涙を流していた
2人して顔を見合わせれば
また笑い合う

何でもない時間が
また一つ帰ってきた


「でもさ、あれは傷ついたな
私のこと嫌いでしょって」

彼女に昨日告げられた言葉
気にしているのは本当だが
傷ついたというのは少し盛った


「うっ…ごめん…
やってあんな事して許されると思ってなかったから…」

そりゃそうだ
彼女はたしかに酷いことをしたけれど
それによって自分も傷ついていた
それならこれがどれだけやってはいけない事だったのか誰よりも分かっている

だから、私も彼女を責める気にはならないのだ


「嫌いじゃないよ、本当に
たしかに嫌だったけどね
でも嫌いにはなれなかった」

「うぅ…Aー！！！」

私がそう言えば
彼女が勢いよくベッドにダイブしてくるので
変なうめき声をあげてしまった


「ちょっと！重い！！」

「ええやんええやん！
今はAを感じていたいんやー！！」

「気色悪っ！！」

笑い合う私達
それに気づいた流星が扉を開け


「お前ら遊んでないでしっかり休め！！」

と怒られてしまった

そしてまた顔を見合わせれば
いたずらっ子のように笑う彼女に私も笑みを返す

流星の言葉通りに
しっかりと体を休めるために眠りについた

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