夕立;19 ページ31
『マルコ隊長、こんばんいかが?』
あれはいつだったかしら、あなたにそう誘ったのは。
『お前のことは気に入ってるよい、美人だし、愛嬌もある』
そう、あの人は言ってくれた。
それから何度身体を重ねただろう。
もう少しできっと愛してると言ってくれるのじゃないかとそう期待していたのに。
あの子供が船に乗ってきた。
暴力を受けてボロボロだったので家族にしたとか何とか。
白銀の髪をもつあの子供が来てからあの人は変わってしまった。
『悪いねぃ、今日は遠慮しておくよい』
『今日はAが熱出しちまってねぃ。また今度にしてくれや』
私の誘いはほとんど断るようになった。
そんなにあの子が大事なの?
私はどうでもいいの?
許せない。なんであの子ばかりかまうのよ。
あの子さえいなければいいのに。
そう、思った。
「ありがとよい」
「いやお易い御用ですよ、マルコ隊長」
マルコは整備班からある情報をもらっていた。
なんでもあの日、Aが殴られた日から工具がひとつ消えているそうだ。普段使わない工具なので3週間も消えたことに気がつかなかったらしい。
『多分、それがAを殴った凶器だよい。……さて、どこに隠したのか』
マルコは顎に手をあてて考えた。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます!夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT`)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです!!夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです!更新頑張ってください!! (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玉うさぎ | 作成日時:2021年10月3日 12時