夕立;18 ページ30
白。銀。Aの髪は降ったばかりの雪に朝日があたった時の色だ。
「………うー、」
「A〜、どうした？」
エースがひょっこり顔を出して部屋に入ってくる。手には紙とペン。どうやら書きかけの書類らしい。
Aは指で髪をいじっている。白銀の髪を指で引っ張っている。
「おいおい、何やってんだお前は」
「…寝てたら絡まっちゃったの」
「だとしても引っ張るなよ」
Aの髪の毛は細いので何かの拍子に絡まってしまったのだろう。何本も絡まって大変なことになっている。
「………切る？」
「ダメだろ！！」
どうしたもんか。
『…切る、のは避けてぇな。せっかく綺麗な髪だし』
「ここでサッチさまが助けてやろう！！」
「…うわ、うるせぇ奴来た」
「おいおいなんてこと言うんだよ。助けに来てやったのに」
うるさいリーゼントがやってきた。何しに来たんだとエースが軽く睨む。
サッチが部屋に入ってきてAの後ろに座る。
「さて………指でほどこうとする方がまず間違ってるからな」
サッチが持ってきたのはブラシと歯の細かい櫛だった。
それをエースはじっと見ている。
「なんだい、エース」
「一応、聞いとくけどそれお前の私物？」
「そうだよ。このリーゼントを作んのには必須なの！！」
サッチはブラシで絡まっている部分を梳かしていく。
「…痛いか？」
「大丈夫」
「Aの髪は細いからすぐ絡まっちまいそうだな。絹の糸みてぇ」
指ですっと通せばさらさらと音もなくAの肩に落ちていく。
しばらくサッチはブラシで梳かすと手を止めた。
「ほい、終わり」
「ありがとう、なんか、さらさらになったね」
「もとがいいんだよ。大事にしな、綺麗な髪なんだから」
そう言ってサッチはAの頭を撫でた。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
