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夕立;12 ページ24

キョロキョロとAが辺りを見回す。

「どこ行ったのかな、マルコとイゾウ……」


ハルタとイゾウの思いつきで始まったかくれんぼはジャンケンによりAが鬼になった。
サッチとエースはすぐに見つかった。ハルタもその後見つけた。

「もうあらかた探したと思うんだよなぁ……」
そう言いつつ、船底の方まで来てしまった。
『こんな場所に隠れるかなぁ……』


暗い。壁にかかるランタンしか明かりがないので見えづらい。

後ろで気配がした。
「誰かいるの?」
Aは振り向かずにそう言う。


ガンッ!
突然、鈍い音がした。
Aの後頭部に走る衝撃と激痛。
「…………いっ!!!」
思わずしゃがみこむ。
クラクラと目眩がした。目の前がチカチカする。殴られたと瞬時に理解した。


「…………アンタが、………悪いのよ」

そうかすかに聞こえた気がした。


Aはしばらくしゃがんでいたが、ゆっくり立ち上がる。まだ鈍痛はしたが、我慢出来ないほどではない。たんこぶは出来ているかもしれないがその程度だろう。
「…マルコとイゾウ探そう」


Aが倉庫の奥の扉を開ける。
着物の裾がチラリと見えた。
「イゾウみぃーつけた!」
「おや、見つかちまったなぁ。おれが最後か?」
「ううん。マルコがいないんだよ」
イゾウは微笑むと指で上を指す。
「……………上?」


Aが見張り台の梯子を登っていく。
上まで登れるばマルコが見張り台の手すりに寄りかかっていた。

「マルコ、見つけた」
「遅かったねぃ。俺が最後かい?」
「………隠れてないじゃない」
Aが唇をとがらせる。
その表情にマルコが一瞬面食らったような顔をする。
『そんな顔もできるんだねィ』

「1番最初はサッチか?」
「正解っ!なんで分かったの?」
「考えるまでもねェよい」

マルコはそう言って不死鳥の青い翼を広げ、Aのシャツの襟を優しく足で掴み、ゆっくり甲板へ降りた。

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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます!夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT`)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです!!夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです!更新頑張ってください!! (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉うさぎ | 作成日時:2021年10月3日 12時

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