夕立;10 ページ22
マルコとサッチがAのひと言に顔を見合わせた。
少しの沈黙のうちにサッチが口を開く。
「……あー、マルコ多分なんだけど、Aは怪我が治ったら優しくされなくなるって思ってるんじゃねぇーの？」
「…………そうなのかよい？」
Aはこくりとひとつ頷く。
マルコはAの腕の傷に新しい包帯を巻いていく。
「…あのなァ、俺たちは別に怪我してるから優しくしてるわけじゃねェよい。お前が大切だから、優しくするんだ」
「………大切、なの…………？」
「あたりめぇだろ。A、もっと頼れ。甘えていい。お前が今まで甘えられなかった分、甘えていいんだよい。末っ子が甘えてきたら受け止めるのが兄貴たちの役割だよい」
マルコはじっとAの目を見つめた。
「だから、もうこんなことするンじゃねぇぞ。いいな？」
「………………うん」
サッチもにっこり笑う。
「また爪たててたら、お兄さんたちが全力で止めにかかるからな」
「あー、爪立てるんじゃねぇよい」
あれから、前のように血が滲むほど爪をたてることはなくなったものの、爪をたてる癖自体はなくなっていないようで頻繁に見かけたマルコやサッチたちが止めに入っていた。
「ダメだって言ったろうが……」
やんわりとマルコがAの手を掴む。
「こーら、爪たてちゃダメでしょーが」
サッチが軽く肩を叩く。
「あ、お前今、爪たてたな。ダメだろうがまた血だらけになったらどうすんだ」
「ダメだよ、A、爪はたてないの」
エースとハルタがAの手をつなぐ。
「あ、これいいな！こうしてりゃ、Aが爪たてねぇだろ」
――――――エースとハルタの作戦により、しばらくAと手をつなぐ隊長たちが続出したとか。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
