夕立;03 ページ15
「なァ、Aが男じゃねェって言ったらどう思う？」
マルコがぽつりと呟くように言う。
「……え、そうなの？」
「仮にもし女でもねぇって言ったら？」
サッチがどういう意味だと眉をひそめる。
「最初に連れてきた時、全身酷い怪我だったから服全部脱がしたんたんだよい。そしたら」
―――服の下にあったのは男でも女でもない身体だった。上半身は痩せてはいたが間違いなく男だ。だが下半身は華奢な女の細い足だった。
「そんなことありえんの？」
「いや、有り得ねぇと俺はそう思いたいところではあるけどな」
「これって他に誰か知ってんのかよ」
「エースはもう知ってる。あと親父も」
―――――明らかに何かしらの重大な事情を抱えてるのは間違いないだろう。それがどんなものかは分からないし、もしかするととんでもない事態を引き起こすかもしれない。
「親父は何て？」
「『もう乗り掛かった船だろうよ』と。知っちまった以上どうしようもねェよい」
「じゃぁイイんじゃね？俺も別に今さら知ったからってどうも思わねェよ。そりゃァ、驚きはするけど、Aが可愛い末っ子なことに変わりはねぇだろ？」
サッチはにかっと笑う。
Aがどんな事情を抱えていようと家族に迎えたのだ。可愛い末っ子が幸せならそれで良しだろう。そのぐらい背負ってやるのが兄貴たちの役割だ。あの子が自分が何者かで悩むようなら一緒に考えてやろう。そのぐらいの重さは余裕で背負える。
「そう言ってくれてよかったよい」
マルコは安堵の表情を見せた。
「おーい、マルコ、サッチー！！」
遠くでエースが呼ぶ声が聞こえた。
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玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
