夕立;01 ページ13
「ほら、A行くぞ〜」
エースがぱっと手を差し出すと、遠慮がちにAが握ってくる。
「はぐれねェようにしろよ〜」
「後で俺たちも行くからよい」
マルコとサッチが手を振った。
白ひげ海賊団は補給のために縄張りの島に寄港している。各隊ごとに補給の役割はまちまちなのだがエースが隊長を務める二番隊はすぐに仕事が終わってしまったのでAの買い物に行ってこいとマルコから頼まれたのだ。ちなみに二番隊の他の連中はもう好き勝手呑んでる頃だろう。
「さぁて、何から買おうか…」
エースは顎に手をあてる。一応、マルコがリストを作ってくれたのでだいたいは把握している。
「お買い物？」
「あぁ。お前のこと、身一つでさらってきちまったろ？だから、色々買ってこいって」
Aがモビーディックに来てからはやひと月。早いものである。
「おし、まずは服だな。いつまでもお前も俺たちのお下がり借りてるわけにいかねぇし」
エースはそう言って島の服屋にAを連れていく。
「とりあえず適当に……」
この手のことはよく分からないので店員にある程度まかせることにした。
―――こういうのはマルコの方が向いてるんだけどなァ。
とは言ったもののマルコも一番隊隊長として忙しいのは分かってるのでそれ以上文句を言うのはお門違いである。
店員が大量の衣類を持ってくると全てモビーディックに運ぶように伝える。
――――――― 一方その頃。
「よっ、マルコ、そっちは終わったのか？」
サッチがマルコを街で見つけて声をかける。
「いいやあと少しだよい。そっちは？」
「もうあらかた済んでるから下の連中に任せてきちまった」
サッチたち四番隊は食糧倉庫の整理をしていた。荒くれ者共が集うモビーの食糧はきっちり管理しないと大変なことになってしまう。ただでさえ、頭がおかしい量を平らげる奴が何人かいるので馬鹿にならない。
「で？マルコさんはどこに？」
「いや、少し野暮用だよい」
「野暮用って言うと、A関連？」
――――――勘のいい兄弟もいて困ったものである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉うさぎ(プロフ) - なまらさん» コメントありがとうございます！夢主の能力が使われるのはもう少し先になりそうです……(´TωT｀)気長に待っていただけると作者は嬉しいです (2021年11月22日 11時) (
レス) id: 2678198c2d (このIDを非表示/違反報告)
なまら - 更新されてるか見るのが毎日の楽しみです！！夢主ちゃんの能力使われるのが楽しみです！更新頑張ってください！！ (2021年11月21日 4時) (レス) id: 26945b0253 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉うさぎ | 作成日時：2021年10月3日 12時
